聞いてよ小兎姫。
チーフの馬鹿がいつの間にかぬえちゃんと接触していたので事後処理に追われているのだけど
まさか新築した命蓮寺に住んでいるなんて想定外だったわ。
それよりも思ったより丸くなっていたのでかなり驚いた。 昔は荒神級の暴れん坊だったのに
変わる物は変わるのねと改めて思ったわ。
それだけ地下が環境がいいってことになるかな。
封印っていっても名ばかりで結構好き勝手やってたみたいだし。
今でこそぬえちゃんって言えるけど、彼女を封印するときは相当の犠牲者がでた。
彼女、当時としては珍しい不定形妖怪だったから戦い方のノウハウがまるでなかったのね。
そこで、星ちゃんの倉から結構な数の武器を持ちだしたのよ。
その中でも結構な戦果を上げた兵器が非想天則だったと思うな。
正体不明を相手にするにはすべてを冗談とする存在を当てるのが有効だったってわけね。
それでね、彼なんだけどね、相手を泣かしたって言うのよ。 私も耳を疑ったわ。
どう考えてもぬえちゃんとは相性が悪いのよね。正体不明を売りにしているのに
無理矢理説明してしまうのだからきっと彼女が抱える矛盾にも気づくと思うのよ。
チーフってほら、理屈っぽいでしょ。
あれ、結構妖怪も参るのよね。だから生き延びているのでしょうけど。
ほんとよく生きて帰ってきたと思ったのよ。
普通なら確実に殺されていたわ。 昔は結構好戦的だったのよ。
でもぬえちゃんの最近のファッションにはまいったわ。
ミニスカにニーソでしょ。ずるいでしょ。
封印するときに彼女の本体割り出して正体現したときも、今で言う萌えってやつ？
そう、媚び媚びの服装着てて私は引いたけど、男達はみんなハートを射貫かれちゃってね。
最後は求婚者が出たと思ったわ。 しかも数人。
で、私に聞くのよ。 ぬえちゃんはどんな物が好きですか？ってね。
正体不明が売りの妖怪の好きなものなんてわかるわけないでしょ。 ホント馬鹿よね。
そういえば、あの辺でぬえちゃんの抵抗がほとんど無くなったけど
彼女も相当迷惑していたのね。 戦線はその時無茶苦茶だったのよ。
ぬえちゃんを虐めるなって本気で言ってる馬鹿がいた。
その二三日後かな。術の効果は相当薄れていたのにぬえちゃんが封印されたのは。
封印されたと言うより、自分で入ったのか。 あれは。
これで私も悟ったのよ。
強力な妖怪も変態には適わないって。
ちょっと小兎姫、なにあきれた顔をしているのよ。
大丈夫よあなたは変態じゃないから、えっ違う？
