□月 ●日  No1284 なんであなたがここにいる


会社から有給消化しろという話になって急遽休みに。
有給休暇なんて自分で取ることはないのだが、折角なので服などを買いにデパートに
行くことにする。 
適当に服を選んでいたら、奇麗なお姉さんから声を掛けられてはっとする。
一体誰かと思ったら、顕界の服を普通に着こなしている一輪嬢だった。


考えてみるとナズ軍曹に始まり多々良小傘、そして一輪嬢 この三人(?)は
顕界でも幻想郷でも存在できる妖怪達である。
今まで縁がなかっただけで会っていたのかも知れない。


幻想郷では割と地味めな衣装を着ている一輪嬢だが、顕界での服装は少々派手目である。
雲山先生が文句を言いそうだと思ったが、この調子だと雲山先生も顕界の感覚なのかも
しれないと思う。 彼女がフリフリの衣装を着ないのは恐らく顕界基準のファッションセンス
だからであろう。確かに顕界の感覚では幻想郷の衣装は恥ずかしいと思われる。


折角なので、昼食を食べることにして適当に談笑させて貰った。
霊能局が命蓮寺とつながりが深いことや、聖輦船にあった宝物が霊能局の元である宮内省
あるとか色々な裏事情を聞かせて貰う。 代わりにこっちは大師様の動向を話したわけだが
知っている人なのに何故聞くのかと尋ねると、第三者視点が要ると言うことだった。


それにしても、まさか小兎姫と同じマンションに住んでいるとは思わなかった。
雲山先生とアクセスする関係上最上階に住んでいるのだそうで、無駄に家賃が高いのが困ると
こぼしていた。


笑えたのは、降りるのにエレベーターを使うのが面倒で仕方ないということだった。
一度遅刻しそうになったときマンションから飛び降りたそうだが、そのときは投身自殺と間違えられ
警察に通報されたあげく、小一時間しかられて結局遅刻したらしい。


なんか結局顕界にいても妖怪と縁がある生活をしないといけないらしい。
うちのOBが妖怪相手に商売をしているのも何となくわかった気がした。