□月 ●日  No1367 これが俗に言う社会科見学である


外の世界での対妖怪戦にアドバイザーとして参加する。
と言ってもあくまで経験の為だそうなので特に何かするわけではない。
事実上の見学である。


本当のところは妖怪を説得するための要員だったのだが
到着したときには既に大暴れしており手が付けられなかったとも言う。
と言ってもこの妖怪一応外見上は人間の格好をしている。
ところどころ角が生えたり何か生えているのはご愛敬だ。
恐らくは弱ってしまって人間の身体を維持できていないのだろう。


こうなるととてもではないが人間とは共存できない。
と言っても幻想郷にも送れない。
弱りすぎた妖怪は冗談が効かない。
弾幕ごっこにも賛同してもらえない。
話が分かる妖怪ならとうの昔に幻想郷に旅立っている。 


話が分からない妖怪の場合は封印とか最悪抹殺だそうで
弾幕ごっこではない所謂本気の戦闘を見させてもらったが
殆どやっていることは軍隊と同じ代物である。


大見得を切って必殺技を叫ぶとかそんなアホな真似はしない。
こうして見てみれば幻想郷のスペルカードルールが如何に
傍から見てアホな行為だということがよく分かる。
あれはあくまで遊びだ。


妖怪は人間よりも身体能力が高い。
あくまで人間の姿をした何者かなので当然である。
と言っても物理的な限界は存在する。
妖怪でも不定形でない限り重火器は防げないし、
現代では妖怪相手の有効な兵器も多く開発されている。


面白いのは妖怪相手に重火器を使う場合は
グレネードが主体だったということだろう。
中には炸薬の他に御札とか神木の粉が入っているのだという。
多少命中しなくても結構な打撃を与えられると言える。


結局この妖怪は少々の抵抗を試みたものの、最終的には消滅してしまった。
恐らく姿形として維持することすら出来なくなったのだろうという。
数十年または数百年は姿形を復帰することは難しいとのことである。


個人的には今回は良い経験になったと思っている。
もっともそれが役に立つシチュエーションは殆どないような気がする。