□月 ●日  No1391 キャストオフ


エレンのマジックショップ ソクラテスが荷受けをしている中、何故かお客として入ってきたのは
メトセラ娘だった。 場違いだと思いつつ様子を見るとカードの束を買って帰っていった。


上白沢の買い物だと思っていたら、あれは自分で使う物だと言われて驚いた。
メトセラ娘が魔法の類を使うなんて聞いていないからだ。
ソクラテスの話では、時間にモノを言わせて魔法を一個だけ覚えたらしい。
一体何の魔法が、実はこれ服を復旧する魔法なのだ。


メトセラ娘は長いこと、服が燃える問題に悩まされていた。
幾ら不老不死と言っても寒さは気力や体力を奪うので昔は行き倒れた人から
服を奪っていたという話を聞いたことがある。


凍死する心配こそないが、寒いときは昼間寝て夜活動する。
夜は妖怪が活動する時間であり、身を守る手段として弾幕は都合の良い存在だったのだろう。
もちろん夜行動することにより上白沢という協力者を得られたのは彼女にとっての
幸運だったと言える。


上白沢と知り合ってからは服がまともになったらしいが、それでも幻想郷における
衣服は顕界と比較すれば遙かに高価であり上白沢も衣服代を出すのは限界があったと思われる。
そこで寿命の長さにモノを言わせて、長い時間を掛けて衣服を直す魔法を体得したらしい。


この魔法はかなり便利でぼろぼろになったり色々な事由で汚れても元に戻せるとかで
かなり使い勝手が良いらしい。 もちろん体型を維持しないといけないが
全体的にたっぷりとした服になっているのは体型変化への対応である。
太りすぎた場合は、以前ここで取り上げられたとおり、自殺するのだそうだ。
ダイエット手段としては最終手段である。


余談であるが、先の肝試しの時にメトセラ娘が降参する羽目になったのは
本当は服を復旧するカードが品切れになったからだったらしい。
あの頃カードの納期は一週間だったそうで、注文はしていたが届くまで数日掛かっていたそうだ。
数日間同じ服だったので蒸れて仕方ないと愚痴っていたらしい。


本来使う予定だった弾幕ごっこ用スペルカードはその後、鴉天狗によって目撃されたのは有名な話。
あの件以降、うちの会社で服のスペアを作るため、朝倉が魔法を逆アセンブルして構造解析していたとか
一応、汗が早く吸収されるようにスポーツウェアの技術が転用されたそうだが
本人は多分気づいていないと思われる。