□月 ●日  No1458 弱者の味方


最近、ネット転載天狗が危ないという話を聞いて最近の新聞を読み直しているのだが
身体的に危ないというより所謂思考回路レベルで危ないと分かって色々戦慄する。


弱者の味方というととても聞こえはいい。
曰く、幻想郷の路上生活者を護ろうとか、曰く、姥捨てをやめましょうとか
顕界ベースの発想で見ればそれはまともな発想なのだが
妖怪の山にある天狗たちにとって異端過ぎる発想に周辺が当惑しているらしい。


問題の本質はこうだ。 彼女はネットに通じすぎている。
よって、彼女の価値観は幻想郷の価値観より寧ろ顕界の価値観そのものである。
一時の自分を見ているようで色々とコメントしがたい気分になる。
この問題は結局のところ幻想郷の情報がネットワークにあまり流れないからなのだが
顕界のインフラにフリーライドしている以上は仕方ない部分である。
元々河童達が外の世界の論文などを読むために引いた物だ。 今更フィルタリングしたら
それこそネット転載天狗あたりが大キャンペーンを展開してしまうだろう。


ボスに彼女を説得するのかと訪ねると、事態はもっと深刻だと言うことがわかった。
どうやら止めるべきはネット転載天狗ではなく、取り上げられて怒りに震えている
当事者だったりするのである。 自分はこんな記事を書かれるつもりで取材に応じたわけじゃないと
いうのだ。 ごもっともな話だ。
彼らだって、矛盾は理解しているし、辛い思いをして事態に当たっているのだ。
天狗の新聞になって人気取りの道具にされたら敵わないのである。


仕方ないので、文々。新聞を見せて天狗の新聞の非有用性を説いて回ることになった。
明羅女史が一番難しそうな部分を担当しているのでとても助かっている。
村人達もそういう問題じゃないだろと言って怒ってる。 ごもっともな話だ。


結局ネット転載天狗はどうしたかって、デストロイヤー三号自称現人神に退治を依頼したわけで。
新聞を見せながら自称現人神に相談したら、酷いデジャブを感じると言われた、
あなたの言いたいことは手に取るように分かる。
格安で退治すると言ってくれたが、一応村人のカンパもあるので料金積み増しで依頼したら
おねえさんとケロちゃん帽のカミ様も動員して事に当たると言ってくれた。


結果はどうなるかはわからないが一つ言えるのは正義感の暴走ほど始末が悪い物はないということだ。
その辺を理解してくれないと本当に困る。
私自身人のことを言えた義理ではないが、自称現人神が説得してきたというので取りあえず様子見ということで
しばらく事の成り行きをチェックしようと思う。