□月 ●日  No1540 同族殺し


幻想郷に変なものが流れ込んでくるのは何時ものことだが
今回は何時もにまして変な物が流れ込んできた。
幾多のからくり人形である。正確には殺人をするために開発されたキリングドールとか
いう代物だと言われる。


一般的にキリングドールと言われるとまるでロボットのようにさせられた
人間がやっているケースが殆どだと聞いたことがある。
どうやってロボットのようにさせられたのかは想像したくないが
今回は中身が人間ではなく純然たるメカとのこと。


ヴィヴィットがこの手の闘いには向いているのだろうが、この話をたまたま
聞いてしまったのがメディスン・メランコリー
彼らを説得すれば自分たちの権利を主張するための交渉のカードになるとばかりに
協力を申し出てきた。 どうみてもからくり人形に毒なんて通用しないことを
考えると誰が見ても足手まといにしかならない。


キリングドールがいたという無縁塚に行ったら早速被害がそこかしこで出ていた。
曰く、冬コミの原稿が破かれたとか、曰く、入稿用の通信装置が壊れたとか
関係者にとっては愕然とするような内容のようだ。人的被害は出なかったのは
ここにいる連中がそろいもそろって幽霊であり、それ以外は朝倉と似たような人種だからだ。
さすがのキリングドールも幽霊は殺せなかったのだろうが
抜け殻になっている幽霊達を見ると違う意味で殺したことになったのかなと思う。


そしてとうとうそのキリングドールなるものを発見。私は非戦闘員なので、
すぐに距離を取ることに。呆れた顔のメディスン。 何とでも言えと思う。
何度か相手の攻撃をいなしながら呻く。 ただの自己保存プログラムで
破壊したほうが人形にとってはプラスだという。 人形の権利主張も
なかなか大変だと痛感する。


弾幕を放つことができるわけではないので、メディスンのスペルカードで
あっけなく破壊された人形であるが、彼女の薦めで灯油を撒いて燃やすことになった。
この手の人形はすこしでも端末パーツがあるとそこから復活してしまう物らしい。
人形が人形を破壊するのはシュールだと言ったら、人間だって同じようなことをするだろうと
言われて改めて人間の業の深さを思い出してしまった日だった。