□月 ●日  No1611 MVPはあの二人


八雲商事倉庫 ここには幻想郷に入る直前の品々が一時保管されている。
同時に商管の人が梱包を開けて、商品をパレットに載せ直し、ストレッチフィルムを巻いて
フォークリフトを使ってコンテナへと突っ込む。
どこの商品倉庫でもある光景といえばその通りである。


そんな折り、通常便の商品の中にひときわ異彩を放つラインナップが一つ。
驚いたことにその商品の注文者はネット転載天狗である。
どうもネット転載天狗が通信販売のやり方を学んだようで、
生活必需品を中心に色々と物が届いていて、検疫部隊の頭を悩ませている。
同じネット環境を持ちながらそういった商品をきちんとスルーしている永遠亭の姫様の
爪の垢を煎じて飲ませたい気分に駆られる。


倉庫の中に入ると嫌な腐臭がするので商管の人に通報。
商管の人はずっと同じ場所にいたため臭いに気づいていなかったようである。
別の人が倉庫に入るとやっぱり異臭がするということになって
異臭の原因を探すことになった。 なにかしらの薬品だとしたら大問題である。


そして、普通に梱包された箱を特定した。 中を開けると料理が盛りつけられている。
といっても中で崩壊して酷いことになっている上、腐臭がする。
唯一食べられそうな物が銀紙に包まれたチーズだったが問題はこれが冷凍便で来なかったことである。
このままでは食べられないので、写真で撮影してから廃棄とあいなった。


写真で撮影したものと伝票からこれは旧正月用のおせちと判明。
ネット転載天狗が食べるための物だろうが、仕方なしに同じ物を注文しようとすると
どうもクーポン割引サービスとかに加入しないと倍の値段がかかるらしい。


仕方なしにこの写真を北白河と岡崎に見せると、10分の1の値段で作ってみせると言って
業務用スーパーで総菜を買ってきておもむろに重箱に詰め直した。
確かに10分の1の値段でちきんとした食べ物になっている。
それをクール便で詰め直してネット転載天狗に送ることにした。


送った先で、ネット転載天狗がクーポンで得したと言っていたのでピコぽんハンマーで殴る。
とりあえず謎のおせち料理の写真を見せたあとに顕界で食料品を買うのを禁止ときつく
釘を刺してから帰途に就いた。
腐ったおせちを渡した方が説得力があったかなと思ったが、これはこれである。