□月 ●日  No1630 奥さん魔界ですよ


幻想郷地下深く 魔界と言えば幻想郷発足前に妖怪達を受け入れてきた場所である。
資源は基本的に神綺様任せ、そもそも幻想郷の構想そのものが陸上移動できる
大量輸送手段が出来てからだったのでむべなるかなである。


当然の如く、ここでも幻想郷行きに近い入国審査みたいなものはある。
デストロイヤーに力尽くで突破されるケースもあるが、これは一応安全確保の上で
執った措置ということになっている。
そもそも、ここでの入国審査が幻想郷管制システムの礎になっているのだから恐れ入る。


ここの門番さんであるサラさんあたりは、完全にお役所の人間もといデーモンである。
そもそもデーモンというのは危険なイメージばかり先行しているが、
実際のところは仁義に厚くお役所仕事にもっとも向いている連中と言えるらしい。
大体彼らと関わって不幸になる場合は、人間が約束を反故にしているだけで
彼らにしてみれば契約書の通りに処理しているに過ぎない。


アホな人間は契約書の意味も分からないまま、誰かが書いた契約書を丸写し
しているから駄目なんだとサラさんが言っていた。
しかも契約書を描いた奴はその契約書の欠陥で命を奪われているので、
その契約書の意味が伝わらないまま後世に語りつがれているという。


もっとも契約するのもあちらとしては納得した上なので、そう簡単に
契約手続きを取って貰っても困るのでペナルティを些か厳しめにしておくのが
魔界流というものだそうだ。


それにしてもデーモン達の美人率はやたらたかい。
これと同じ事が言えるのが紅魔館にある図書館に勤務するデーモンたちだが
彼女の事務作業能力は顕界にして一人欲しいと言わしめるほどである。


一度魂魄に口説かないのかと尋ねたが、お持ち帰り後のペナルティが大きすぎて
おすすめしないと言われた。 なにやるのも契約らしい。
契約後の身の安全を確保しないといけないことから、素人にはお勧めできないとか。
くわばらくわばらである。