□月 ●日  No1639 鋼材価格高騰


最近、燃料費が高騰しすぎて商品輸送費が大変なことになっている。
特に鋼材の類がその煽りを受けており幻想郷への物資輸送にも少なからず影響を与えている。
こちらの予算的、情勢な問題を説明しつつ、納得して貰っているのが現状だ。


ここで良く聞かれるのは妖怪の力で一気に輸送ができないのかということだ。
スペルカードを使えば確かに輸送は出来るだろうが、カードの利用を他に見せるのがまずいというより
むしろ、税関で問題になるというのが大きい。 スペルカードに格納したら税関が確認できない上
それは密輸ということになる。
八雲商事はあくまで企業だ。コンプライアンスの維持は絶対必要なことである。
隙間の力で物を一気に運べばこれほど楽な物はないが、それができれば苦労はない。


そもそも幻想郷のコンセプトが不思議な力や幻想の力の封じ込めにあるのに
商売で積極的に利用すれば大混乱が起こるのは目に見えているのである。


それにしてもステンレスなどの鉄鋼の類がとんでもない価格になっている。
そこで、地獄の亡者達にも協力して貰って金属を萃められないかという話にもなっているが
集まる重量はとてもたかが知れている上、絶対数も少なく、トン単位の収集は困難だという
結論に達してしまった。


そこで勢い、幻想郷でもくず鉄の再利用を急がせている。
無縁塚はデストロイヤーどもが蹂躙し、最近はゴミ一つ落ちていない。
自動車が一個置いてあったら一日で分解されて、店に並んでいるのである。
まるでアリに解体されるセミのようだ。


かくしてこちらとしても物資価格の高騰に目を光らせつつ、色々難しい舵取りを
行っているという次第だ。
ロボなんか作ってる状態じゃないんだよ河童ども。