□月 ●日  No1719 ハッカーは手懐けるもの


とある顕界の一人にカードを一枚贈るため本人のいる場所にお伺いする。
この妖怪はスペルカードの欠陥を公開したハッカー的存在であり、カードは
数日のうちにセキュリティホールが埋められて処理されている。


この問題は実は最初ではなく、メイド長が月人と対峙したときに発覚した。
自分が放った筈の弾幕が自分を襲うという致命的な代物である。
本来そうならないように誤爆防止のフィルタリングがついているのだが
それが突破されてしまったことが今回の問題だったというわけだ。


今回その人物が道を指し示したおかげでスペルカードの構造的欠陥が
明らかとなった。結果、当面は大質量弾幕を利用できないだろうが
その辺も徐々に改善されるだろう。


こういう情報公開に対して、会社として行う方法は実に単純だ。
名誉を与えることである。
今回も外装を豪華にしたスペルカードの生板を渡すことになっている。
コスト的にはたいしたことはないが、彼らを手なずけることは今後の

企業活動で重要な意味を持つとボスから言われている。


かれらはいざとなったときに協力者となってくれるのだ。
だから彼らを決してないがしろにしてはいけないという。


さて、当人の家だが薄汚れたコンピューターばかりの家だと思ったら
その中身はカジュアルそのものであり、よくよくみればガジェットがあるのだが
オシャレな印象で色々驚くことしきりだった。


更にもっと驚いたのは女性だったと言うことだ。女性の書いたプログラムは
破綻が少ないというジンクスをどこかで聞いたことがあるが、彼女も
その類なのかもしれない。


彼女に特別仕様のカードを数枚渡して今回は終了である。
一枚は解析されそうだが、それで問題が見つかったらそれはそれで良いと
いうことなのだろうなと思う。