□月 ●日  No176 突っ込んだら負け


世の中には知らない方がいいことがある。
月の都の実情を見るたびそう思うわけで。あいつらが穢れなきとか色々言っているのは
話半分でみないと痛い目に遭うと思う。


綿月豊姫に穢れがないとはどういう意味でしょうと尋ねたら
いきなり靴と靴下を脱いでにおいを嗅げとか言いだして唖然とする。
そういう属性の人には多分ご褒美なのだろうが。こっちは色々怖いモノがある。
こちらの行動はモニタリングされているのだ。 つまりだわかるな。


言いたいことはわかる。穢れなきというのは雑菌からも解放された世界である。
だから足が臭わないということなんだろうか。いや、そうならもっと違うものを
想像すべきではないのかと思う。


さて、我々はどうなのか? 基本的に我々は月人からみたら雑菌まみれである。
最初は下剤を飲まされるとか色々言われていたが一応、そういうのを取り除く
装置とやらに通された。 
ぶっちゃけると月の都であろうとも腸内細菌の様な必要なものは結局対象外だったりと
ダブルスタンダードも甚だしい。


要は自分が穢れがないと思って居さえすれば良いのである。
酷い話だ。だからヴァンパイアの主人やら霧雨のご息女がきても別にどうでもないし
綿月豊姫が地上に降り立って月ウサギが食べ歩きツアーをやっても問題ないのだ。
こんな無茶苦茶なことはあるか。


そんなわけでビッチ織姫と童貞彦星の話を豊姫からさんざん聞かされて戻ったが
たぶんからかわれているのだろうなあと思いながら帰路につく。