□月 ●日  No1949 最新技術投入


幻想郷で問題となるのはなんといっても生活雑排水の問題でありまして
江戸の世みたいに川に流せば良いのかと言うとそうもいかず、巷にあふれる妖怪や妖精と
交渉しながら経済活動を行う工夫はいつも必要だったりするわけでして。


排泄物の問題は毎回幻想郷にとって頭が痛い問題なわけですが
屎尿の処理については割と簡単だったりします。幻想郷では肥料が常に不足しているからです。
食料増産の決め手はなんと言っても窒素の固定であるわけですが、その点の技術が後れている
幻想郷ではいくら豊穣のカミががんばっても食糧増産には限界があるのですね。


なぜなら豊穣のカミとてない袖は振れないんです。
無計画に二毛作とかやってしまうと、土地が痩せてしまうんですね。
土地が痩せるのを防ぐために水害とかを起こすって考え方もあるのですが
被害額と食糧増産のトレードオフになりがちでこれも大変なのです。


生活雑排水を何も考えずに川に流すと湖で容易に滞留します。
隔離された地域である幻想郷の湖はひとたまりもありません。
たちまち富栄養化してアオコが生える結果になります。アオコはやがて
腐ってなんとも言えない腐臭を帯び始めます。汚染湖のできあがりです。


そこで排水の処理の方法が問題となるわけですが、幻想郷でよく使われているのが浸透ます
と呼ばれるもので、縦に長い穴を開けてその中に木くずを大量に投入します。
この中で発生したバクテリアとかの力を借りて雑排水を効率よく処理することに
なるわけです。もちろん流し続けたら飽和しますし、木くずも結構な量を
投入することになるのでなかなか大変です。


汚染対策については幻想郷も顕界も関係有りません。顕界で使われる植物などを利用した
最新の浄化方法はためらわず投入しています。
そうしないと間に合わないからなんですね。幻想入りするのを待っていたら
汚染はわずか数年で湖沼をあっさり致命傷にしてくれるのです。


そんなわけで今年も有用微生物を利用した浄化プラント数機が認可されました。
予算は結構かかりますが必要ですから仕方ないのです。