□月 ●日  No1967 若さ若さってなんだ


皆様、ミリア女史のことを覚えているだろうか。
米帝にあるヴィヴィットの開発元 カクタスカンパニーに在籍しており
普段は教官業務を勤める一方で戦闘機にも乗るのだが、最近は
年齢のことを気にしだしている。


そんな彼女が幻想郷の門を叩いた。最近腰と尻が痛いとのこと。
戦闘機乗りのサガなのだが、彼女、痔で苦しんでいるらしい。
本来なら、顕界で通常の治療を行えばいいのだろうが、
幻想郷の薬を「正しく」用いれば治癒が早いのだ。


そんな彼女に駄目人間どもの誘惑が容赦なく飛び込んでくると
こちらに泣きが入った。
曰く、道術を覚えれば、若い身体になれる。
曰く、教団に入れば若い姿にもなれる。
曰く、魔法で若い身体を手に入れようぜ。
曰く、私と契約して魔法少女になってよ。 エトセトラエトセトラ。


幻想郷で若い身体を手に入れることは当然代償を払うのだが
もちろんそれら代償の説明なんて一切なし。
まさに悪徳商法の手口である。


しかし、彼女も最近の身体の変調を考えると
そろそろ引退して家庭を持っても良いのかとも言っている。
多分無理だと思う。彼女の本性は昔見たことがあるが軍曹そのものだ。
最初見たときは清楚なおねえさんだったが見えた肌はどうみても
あっちの身体だったし、発言内容もよくみると軍隊調である。
彼女は素直に教官職でもやっていればいいのだ。


それでも悪魔と契約して若い身体を手に入れるというのは
とても魅力的に映るらしい。当然だ。
それが手に届く立場なら尚更だ。


仕方ないので伝家の宝刀を用いた。
「朝倉のようにいつまで経っても永遠のアラサーでいいのか」と。


しばし悩んだ彼女は無言で握手を求めてきた。
これで彼女は大丈夫 だと思う。
それにしても、あんな調子で布教してもいいものだろうか。
もっとも本人じゃない連中の発言だが、もう少し言葉を選べと思う。