□月 ●日  No1971 気分は文々


株式会社八雲商事 毎度平和に見えるこの会社だがもちろん異変も起こる。
いや、朝倉とかあの辺は別として、もうちょっと違う話。
特に、笑い事ではないのがサプライチェーンが飛んだときだ。
幻想郷に物資を運ぶ際にサプライチェーンが飛ぶと本当に洒落にならない。


もちろん取引先はある程度二重化を行っている。二重化では足らず幾つかレイヤー分けも
行っているのだが、もちろん妖怪達が着る服の縫製工場あたりが飛ぶと、
それこそ大騒ぎになるのである。


そんな会社くらい八雲商事でなんとかしろというあなた。
そこまでお金があるならもっとマシで、専用設計された列車に乗ってます。
この堅実すぎる財務環境が、八雲商事を今日まで生き延びさせていたのだから
それを素直に誇らないといけない。


バブルの時は人手不足で喘いでいたらしい。給料が安かったからだ。
今では平均より貰っていると思う。 変わっていないとも言う。
バブルの時、人手が足りなくなった八雲商事はなんと幻想郷にいる妖怪を雇用した。
結果的にそれがプラスになったかどうかについては冴月とか朝倉とかを見れば
結果オーライと言うしかない。


取引先が吹っ飛んだと聞いて、とりあえず乗り込む。
金目の物を取るのではなく、あくまで衣服の資料を手に入れる。
最近は、天狗がやっているという興信所で情報を手に入れて型紙とかを
手に入れるようになったので被害は割と減っている。
型紙の値段をある程度高いお金で買い取ると、あちらも相当助かるらしい。


今回はそれほど重要なものはなく、どうせ金目の物は怖いお兄さんに引き上げられている。
引き上げられたものは妖怪達の金貸し連中が押さえているので最悪の事態は回避されている。
その場の写真をおさめたら、その場を引き上げる。
残った従業員が、途方に暮れているがこれについてもどうにか出来るわけではない。
人事課に連絡してくれと言うのが限界だ。 もっとも連中は妖怪の身の回りのものに
関するスペシャリストだったりするので雇用率は高いらしい。


そんなわけで、ほぼ空っぽになった事務所から必要な書類をコミ箱から漁りつつ、
脱出。 どうして写真を撮るかって?もちろん幻想郷をネタに我々を脅迫してきたら
消すんですよ。 神隠しでね。