□月 ●日  No2007 どう運ぶかである


顕界で培ったノウハウを用いて幻想郷で商売をしようと考える者は一定割合ながら存在する。
顕界の流通網を幻想郷に持ち込んで手に入らないものを売りたいと考えるのは
八雲商事社員なら一度は考える妄想である。もちろんそんなことは出来るわけがないのだが。


幻想郷に持ち込める物資には容量がある。可能な限り圧縮し、可能な限り容積を減らすしかない。
なにしろコンテナで運べる量や列車で運べる量には制限があるのだ。大きなものを運びたいのなら
分解したものを運ぶしかないのである。
想像以上に不便で面倒だ。
八雲商事社員ならその辺の面倒さくらい熟知しているものだ。


朝倉のコスプレ衣装が極端に空気が入ってないのは要はそういうことだ。
普段は布団圧縮袋に入っている衣服を転送しているのである。
せめて、ハンガーに掛けたものを転送しろよと思うのだが、そこまで気が利いてないということだろう。


たまに密輸という方法を使うことがある。
リスクはあるが、無縁塚を経由するというもので、無縁塚住民と仲良くなっていれば
可能なテクニックである。


というわけで、うちの社員がカフェを開いたそうだが案の定在庫枯渇と、踏み倒し多数で
半月程度で廃業とあいなったわけである。 
さすがにコーヒー豆って意外と嵩張るのよね。最後はエレンのショップで商品を買ったら
やたら吹っかけられたという話だ。
あそこでまともな買い物をしようってことが間違いだと言うことくらいは理解したいところだ。