□月 ●日  No2131 ておくれ


最近地霊殿で掛かる予算がかなり増えていると知って、一応地霊殿に乗り込んでみた。
いったい何にお金が掛かっているのか、伝票を見れば大体見当はつくのだが顕界で出回っているような
代物ばかりが書いてあったため実際に確認した次第。
一応八雲商事社員の物資横流しの可能性もあった。


地霊殿の主人と面会、とりあえず適当なやり取りの後奥に通される。
この場合心を読んでもらえるのは有難い。こっちにはおかしなところがないことを証明すれば
何も怖いものはない。
ある意味楽である。


部屋に案内されて頭を抱えた。顕界で出回っているPCそれも最新版が置いてある。
本人いわく、画面越しなら心が読めないのでとても楽だという。
しかも、よく見てみたらカメラまで置いてあるし、おまけにスキャナとかも置いてあると来ている。
いや、よく見れば幻想入りしたような代物もちらほらあるが、ドライバーがあればとりあえず動くもの
ばかりという。 いや、そもそもここで何をしているんだととかいろいろぐるぐる回ってる。


不意にチャイムが鳴る。
一体何かと思えば、突然彼女がマイク越しになにか話だした。
なんとかラジオチャンネルとか言い出して頭を抱える。
さらに、ゲスト扱いされてさらに頭を抱える。 
しまった、この機材を既成事実にする気だと気付いたのは 数分後であった。


30分拘束されて、なぜかラジオ越しに死ねと罵倒されつつも
憔悴しながら死体運び猫に事情を尋ねてみる。
なんでも、心が読めないけど、人と会話できる環境がとても楽だということで
絵を書きながら、独り言を話しているのだとか。
理由はわかっているのでこれ以上は何とも言えない。


色々あきらめて疲れた感覚で会社に戻ったら、朝倉のドアホが
地霊殿の主人から寄稿して貰っちゃったとほざくので
笑顔の延髄蹴りで原稿には傷つけない程度に因果を叩きつけたとさ。
めでたし めでたし。