□月 ●日  No893 地霊殿と魔界の奇妙な関係


列車メンテナンスの為、配達作業に専念。
普段から化け物ばかり運んでいるくせに流石に遺体を運んだ列車に乗り続けるのは気分的に
いいものではないのだから笑ってしまう。


魔界神のいるパンデモニウムは幻想郷では珍しく資源に恵まれた場所だ。
うちの会社に頼らなくても魔界神の力でおおかたの品物が手に入る。
もちろん限界はあるし濫用すると魔界神が疲れるので結局はうちの会社を頼っているようだが
どうやら真の理由があることがわかった。


それは地霊殿だ。 側近のメイドであるユメコ女史の話だが地霊殿はぶっちゃけ厄介払いの為に
魔界神が用意した場所らしい。
そうでなければ金がかかるステンドを駆使した建造物を用意できるわけがない。
これまで必要な物資はパンデモニウムの使者が運んでいた。当然心を読む主人と会う羽目となる。
本当は地霊殿の主人は心を読んでもあまり気にしない性格なのだが、読まれた側にとっては
あまり気分がいいものではないわけだ。 


地霊殿と上手く付き合いたければ開き直ればいいのだ。
変な腹芸なんかしなくていいだけ紅魔館より遙かに気が楽だと思うのは私だけであろうか。


最近ではパンデモニウムから地霊殿への商品振り替え処理とかも委託されるようになった。
主に運んでいるのはペットフードの類である。顕界から運んでいると思いきや
地下で殆ど自給できているのだ。 それが本来の姿ではあるが。
地霊殿に品物を運ぶと言ったら普段の高圧的態度がぐるり一転して笑ってしまった。
最高に物好きとも言われたが知ったことではない。


ペットフードを運んでいるといいことがある。
それは灼熱妖怪を簡単に買収できるということだ。 食い物をくれる人にはペットたちはとても優しい
あとはこっちが餌にならないように気をつけねばならない。
八咫烏が融合していない灼熱妖怪はただのトリ妖怪であるが、それでも夜雀級に危険であることを
忘れてはいけないと思う。


帰りがけに地霊殿の主人から灼熱妖怪に餌を与えすぎるなと言われた。
最近、食べ過ぎで少し肥えたらしい。
あまりに幸せそうにモノを食べるから調子に乗ってしまった。
量を減らすわけにはいかないのでカロリーが少ない餌を模索した方がよさそうだ。