最近、色々な人から幻想郷の昔話を聞くようにしている。
幻想の世界の謂れを知ることで妖怪たちに対して対抗手段を持つことができるからなのだが思わぬエピソードも
聞けるので最近はそっちが目的になっている。
幻想郷というのはどうしても内部だけで全てを成り立たせることができない。
実際問題として物流機構がきちんと備わっていなければ幻想郷の物質量でも容易に崩壊してしまう。
従って幻想の世界は外の世界からの物資供給を常時行い続けること、そして資金注入を繰り返すことで
維持することになる。
博麗大結界が完全に成り立った時、当時存在していた紙幣経済が一度崩壊した。
ここで問題となったのが富が妖怪たちに偏在する問題だった。この辺の事情を書いておく。
たとえば狸は自分が贋金を作ると言う問題があったので、どうしても種族間の取引の中では
複製困難なお金を用意しないといけないと言う問題があった。そこで目を付けたのが金だった。
金は当時から兌換効果として効果が高かったこともあるが、当時開国による金の流出を目撃した
妖怪たちが金を自分で確保するようになったというのが正しい。
妖怪にとって金属は再現性が低い物質である。
明治政府が紙幣を流通させると言ったとき真っ先に反対したのが妖怪の資本家と言う
なんとも言えない展開が起こっていたらしい。
狸などが偽の紙幣をつくることが容易に想像されたからなのだが、この辺は杞憂であった。
狸も商売をするうえで自分の信用を棄損するような真似はできなかったのである。
紙幣化への確かな手ごたえを感じた政府はその後紙幣流通への道を進んでいくことになる。
一方幻想郷では貨幣流通への圧力がとても高まっていた。
貨幣流通の結果、幻想の世界ではいわゆる証券化が横行することになる。
貨幣を大量に持っていれば重すぎて飛行時に影響が出るからである。
また証券化にはもう一つの意味がある。実のところ、金属貨幣にしても能力がある妖怪なら
金属貨幣すらも再現されてしまう問題が生じてしまっていたからだ。
そこでマジックアイテム化した所謂証券が流通するはこびとなった。
証券の発行元が元のお金の真贋を保証するのである。
かくして幻想郷はなんとも奇妙なトラベラーズチェックだらけのお金の流通になってしまった。
ここまで書いたところでいい加減こう言いたい。
博麗の巫女はトラベラーズチェックの換金方法を覚えろ。
以上。