タヌキたちにはタヌキたちの苦労はあるらしい。
彼らは真っ先に人間に溶け込んだ妖怪である。そのやり方は、まず自分の売り込みから始まって
無害アピールから政治献金に至るまで複雑怪奇だ。
彼らには国民健康保険もあるし、一応妖怪であれど運転免許証を取得している。
これは幻想郷にいるクソ狸も同様だ。
そんなクソ狸は、今日免許更新のために顕界に帰還している。
運転免許証なんて幻想郷ではいらないと思われるが、実際には
いろいろな商売をする上では身分証明が必要となるので
一応ゴールドであるが、都度免許書き換えをしているのである。
彼らが免許を取るためにはかなりの工作が必要だった。
最大の問題は動体視力や運動神経が人間と同等もしくはそれ以上であることを
証明することだったらしい。
動物が運転免許をとるってことだから当然といえば当然のことだ。
当初は狸は信号機を判別できないと思われていたらしい。
イヌ科の盲導犬たちはどうやって判別しているんだよってはなしだ。
クソ狸がいないと幻想郷は少し平和だがちょっとさびしいと思うのは
完全に汚染されているとしか言いようがない。