□月 ●日  No3019 おいおいおいおいおいおい


 お客に、「もしかしてお宅地獄の閻魔様まで買収しているんですか?」と
 尋ねたところ。「ああ、あの方ね」とさらっと言われてメダマドコーになってしまった。
 まだまだ修行が、んなわけあるか。
 あんな人外魔境にいたらそりゃパートナーだって色々考えるわと思ってしまうわけだが
 相手は依頼人、粛々と仕事をするわけだ。


 一応予算周りの話等や現状手に入れている証拠などを総合すると、どう見ても
 普通の興信所や普通の弁護士に依頼しても問題ない案件に見えるのだが
 さすがは同業者といえるか、こちらが調査に使うものを熟知していて
 それを利用して証拠を集めたいところだが、会社の備品を使えないので
 こちらに依頼するというものだった。


 早速指定の機材を使って指定の日時に張っているとこれがいとも簡単にしっぽを
 出してきた。いや全く想定していないやりかたであることは間違いないが
 我々の世界であっても似たような機会があるので単に相手が
 無警戒なだけなのだろう。これなら証拠は容易に集まるようだ。


 幸い依頼人は出張ということで国外に移動しているらしい。今日携帯電話が
 通じない場所なんてどんなところなのだろうと思うのだが、きっと山奥にとかでも
 連れて行かれているのだろう。難儀な話だ。
 こんなに連絡がつかなければ、確かにやりたい放題やられても仕方ないかと思う。