□月 ●日  No4414 一歩間違えたら


 メトセラ娘に鉢合わせたところでこういわれた。
 「お前はどちら側の人間なんだ」ってな。
 そんなの簡単な話だ。 すなわち 私は会社側の人間だ。 と答えたら
 滅茶苦茶苦笑されてしまった。
 そこまで文句言われる筋合いはないように思うのだが間違っているのだろうかね。


 ややこしいのは、どうも私は霊能局の連中と一緒だと思われているらしいということだった。
 どうもメトセラ娘というのはあの辺の連中とあまり仲が良くないんだと。
 まあ、あっちはあっちで公務員といってもかなり怪しげな団体であり
 そりゃあまり信用したくはないなと思うわけですよ。 


 月面関連としても霊能局の連中は決して我々を快く思ってないわけですよ。
 本当は彼らで独占したかったが、結局我々がその辺の権益を担ってしまっているわけで
 いざとなったら奪いたくて仕方ないんだろなとは思っている。
 

 しかしですね、そんなことをしようものなら月面人の不興を買うのは確定しているんですよ。
 だって我々のやったことって確かに妖精を月面に運んだけど、同時に妖精の対処方法も
 教えているわけですからね。 


 弱ったところですり寄って恩を売るってよくあるけど結構うまくいくんだよなと
 心の奥底で思ったのは秘密です。