□月 ●日  No4767 外注

 八雲商事で運用する列車は年末年始もおかまいなしに動き続ける。
 その中でこの時期ならではの車両が存在する。
 それが医薬品を満載した専用車両である。この時期に輸送する理由は
 ひとえに低温だからにほかならない。

 幻想郷に医薬品なんてと思う人もいるかもしれないが、
 顕界の都合で医薬品を運用しないといけないケースもある。
 たとえば狂犬病ワクチンがそうで、妖怪変化への負担が大きく
 顕界で治療方法が確立されているこの薬品は定期的に
 幻想郷へと持っていかれる。というかこれがないと大して広くない
 幻想郷は全滅まっしぐらである。

 また、うちの社員用にインフルエンザワクチンも持っていく。
 これも幻想郷に蔓延したら本当に全滅待ったなしとなる。
 同じような理由でインフルエンザ治療薬も投入される。
 
 こうしたコンテナは真っ白のコンテナでデザインもひときわ目立つが
 こいつだけはあの霧雨のご息女も手を出さないし、
 場合によっては自ら警護を買って出るケースもある。
 とここまで言えば聞えはいいが、ぶっちゃけノーリスクで、
 お小遣いを得られるバイトみたいな感覚なのはご愛敬だと思う。