■月 ●日  No5583

 この時期になるといろいろなことを思い出すまな板やで。
 今回は早苗ちゃんの三者面談の時の話をするで。これが傑作や。
 とにかく、早苗ちゃんの親っていうのが音信不通というか、そんなところでな。
 だから彼女が孤独かというとそうでもないんや。普通なら施設にでも入れられる
 ような案件なんだけどな、巫女の候補は色々な特典があるんや。
 
 それで学校も普通に通わせようって話になったんだけどな。
 誰が母親役になるかで揉めたんや。マジで家が半壊してな。
 うちが到着したときには木造平屋ではあるものの入母屋造の建物が倒壊寸前で
 自前で支えたんや。
 
 うちのメスゴリラが二人を正座させて説教したんよ。結局の建物は
 いったん取り壊して、というか、もう時間がないから復元したわ。
 ちょっと前にインスペクションして、家の図面書いておいてよかったわ。
 中学生で建築士っていうのはどうみても士法違反だけどな。一応戸籍上成人や。
 
 んで、八坂さまを母親役にしたんだが、今度は父親役で揉めたんや。
 油すましを父親役にしようとしたらイケメンじゃないから嫌だと拒否してきおった。
 よくよく聞くとハゲだから嫌だというんや。僧侶にハゲは嫌ってなんや。
 しゃあないからうちが電話して、甘粕先生に来てもらったんや
 そしたらそいつも拒否してきおった。髪の毛あるやん。十分すぎるほどあるやん。
 文句あるかボケぇ。洩矢様が腹抱えて大笑いしていたわ。

 

 結局紆余曲折の末、うちの局長が無難に父親役を務めたが、遊びすぎて
 成績下がってることが発覚してうちと二人で叱られたで。なんか釈然としないわ。