■月 ●日 No5627
友達と一緒に廃墟探索しているまな板やで。
でもまあ、うちはちょっとこれ苦手なんや。怖いんやなくてタネが見えるんや。
つまり意外性で楽しませることは不可能なんや。
なので、最近は先発してそこに住んでいる魑魅魍魎を指導することもあるんや。
魑魅魍魎としても、怖がってほしいが人に危害を与えるのは避けたいことがほとんどや。
なんでかって、簡単な話や。そんなことされたらせっかくの廃墟がダメになるんや。
危険な場所ってことで、よくて立ち入り禁止、悪くて重機の餌や。
だから、この手の時は台本が重要や。連中集めてより安全になおかつ
楽しませるような、でもリピーターが出にくいようにするのがみそや。
何度も来られると、それはそれで場所が荒れるんや。ここが腕の見せ所ってやつや。
あんまりウェーイってやられると魑魅魍魎が過ごせる場所が減るんや。
たまに警察と連動するときもあるで。昔な、廃墟でアンパンが流行ってな。
その時はアンパンの影響で、幻覚が見える設定を使用したんや。
これがかなり難しくてな。結局警察張らせて逮捕させたこともあるんやで。
うちらの廃墟探索を邪魔する奴はゆるさん。
一番困るのが何かの証拠を集めている探偵事務所や。この手の奴は
あいてもほぼ同業者でな。八雲商事とつながりがある場合はかなり
やりやすいで。 だいたいこの手の話題では浮気調査やな。
あちつらやっぱりプロやわ。住んでる魑魅魍魎どもも感心していたわ。
うちの企画に入り込まれるとやっぱり困るんやがな。