■月 ●日  No6036

  饕餮様と呼ばれる妖怪がいる。まあ言っちまうと研究されつくされた妖怪である。エネルギーを吸収するため
 正攻法で戦えばほぼ無敵であるのだが、彼女は基本的に無駄な争いを避ける傾向にある。
 理由は簡単で、朝倉に真っ先に研究対象にされてしまい能力の大半を解析されてしまったからだ。
 朝倉は最初期月面戦争に参加して殿までやっていたが、彼女が月面で長時間戦闘できたのは
 饕餮のもつ外部からエネルギーを現地調達する能力を真っ先に研究したためなんだとか。
  おかげでこの八雲商事において饕餮様にエンカウントするのは極めてまれである。本人が苦手としているから当然だ。
 
  とはいえ彼女のお陰でスペルカードというのが成り立っているというのも事実だ。
 彼女は軍神であり、その恩恵を他社に与えても権能が低下しないってのがかなり大きなメリットだと思っている。
 
 さて、この饕餮様だが、最近はエレンとつるんでなにやらよからぬことをしている。
 石油精製施設の導入を目論んでいるようである。まあ幻想郷にも原油があるんだが、これが
 あまり品質がよろしくない。それを饕餮様の方で引き取ってせめて精製してなんとか利用できないかと
 の話なのだが。どうも石油の使い道を派手に勘違いされているようで、いや勘違いしてもしょうがないのだが
 一儲けできるんじゃないかと多くの馬鹿が群がっているようである。

 本人曰く土壌汚染の原因になるから取り除きたいだけなんだけどって言われているのでとても困っている。
 まあ、そうでもなければ、うちのところに近寄らないのだからそれはね。