□月 ○日  No525 七草粥のお話


七草がゆの準備 実は幻想郷における七草と我々が住んでいる外の世界では
七草の内容がかなり違うことはあまり知られていない事実だ。
我々が知る七草と言えば 芹 ぺんぺんぐさであるナズナ ゴギョウ はこべら 
ホトケノザ カブの葉であるすずな 大根の葉であるスズシロ となる。
何故知っているかと朝倉に聞かれたが、理由は単純で内臓が弱い私にとっては
整腸作用がある草はみんなマークしているからだったりする。


ところが幻想郷の七草はというと、所謂雑穀類を使ったお粥となる。
私も初めて幻想郷の七草がゆを食したときはかなり面食らった。
これらはこの時期幻想郷で不足しがちなビタミン類を補う役割があるという。
これらの粥を食べながら五穀豊穣を願うのが習わしとなっている。
真っ暗になっている秋姉妹に届くのかは定かではない。


納品活動をしつつも香霖を誘って若菜集めをすることにした。
香霖堂に新年の挨拶をしに行ったらストーブをがんがん焚いた店内から
出ようとしないので強引に連れ出すことにした。
風邪引くとか、寒いとかという抗議の声は無視して上から防寒着を着せて行動開始。
これではどっちが幻想郷の住人だかわからない。


途中自称現人神を発見。 やっぱり明日食べるための七草集めの模様。
取り合い状態でがっついて取っていたら一緒にいたおねえさんに
食べる分以上は取るなと怒られた。


帰りがけに薬草取りをしている明羅女史を発見して新年の挨拶をする。
阿礼乙女が風邪をこじらせたそうでその場で抗ヒスタミン剤の注文を受ける。
本来なら薬屋に注文すればよいのではと香霖が突っ込んだが、
苦笑いして注文書を書いた。 たぶんそれで彼には今起こっていることを
察してもらえるだろう。
処方箋を受け取ったら現代人並みの薬の量になっていて驚いた。
取ってきた七草を分けてあげてこの日の業務は終了。
おねえさんのせいであまり量がとれなかったが仕方あるまい。