□月 ●日  No758 幻想郷的脱毛事情


少女妖怪が空飛ぶ世界幻想郷。
ここに隠れたヒット商品が存在する。
それはなんと脱毛関連商品だ。


列車のパレット一個が脱毛関係商品で占領されるくらい
幻想郷ではこの手の商品が飛ぶように売れる。


決して笑い事ではない。 毛に関する悩みは幻想郷と顕界もあまりかわらない。
むしろ幻想郷の方がはるかに深刻なくらいだ。
想像してもらいたい。妖怪たちの脚がいきなり毛深かったらかなり幻滅するだろう。


毛の悩みは少女には関係ないという意見もあるかも知れないがとんでもない。
毛深さについては大人子供は関係ない。気にするかどうかの問題である。
おまけに妖怪たちは空を飛んでいるのに色白が多いので、毛が生えるともう悲惨なことになるようだ。
紫外線を浴びて色黒になれば良いのではないかと鴉天狗に提案したこともあったが
それだけは絶対に嫌だと言われてしまった。


どれくらい需要があるかというと脱毛関係の魔法があるくらいと言えば理解できるだろう。 
魔法使いのちょっとした小遣い稼ぎになっているくらいだ。
どうしても食い詰めているときにやれば数日分は食っていけると人形遣いのアリスに言われたことがある。
ノーレッジ女史の精密レーザー脱毛はその最たるものだろう。
朝倉までもがエミュレート実行する程の完成度だが紅魔館に辿り着くまでが難しいので
宝の持ち腐れだという声もある。


一般的に幻想郷では、脱毛方法として軽石で擦り切ったり
木の実の油と軽石を混ぜたものを擦ったりすることが主流だ。
荒れた肌はヘチマ水を用いて整えるらしい。
お線香を用いて焼くこともやっているが軽度の火傷で薬屋に運ばれる者もいる。


脱毛クリームや除毛剤はあまり人気がない。
薬屋の話では新陳代謝が早い妖怪たちに除毛剤を使うと肌への負担が大きいそうで
ブレザー兎のビジネスチャンスという意見が却下されたくらいだという。


河童が開発しているカードで動く小型シェーバーは大人気だ。
黙っていても売れる。
基本はやはりこまめな剃毛だそうである。
ただ剃ったら剃ったで余計に毛深くなる場合もあるとかでなかなか難儀なようだ。


毛深さで悩んでいる妖怪をここで述べるわけにはいけない。
ここに書いても確実に殺されるだろう。
それくらい皆が気にしていると思うべきだ。
どうしても剃りきれない妖怪はストッキングなどを穿いて隠しているので
誰かは概ね見当がつくかも知れない。


私個人の所感を書かせて貰えれば
霧雨のご息女も脱毛レーザーが使えるが
出力制御が未熟なため火傷の危険がある。
礼を尽くせるなら風見女史もオススメだ。 脱毛後の肌ケアに定評がある。
朝倉は一番上手いのはボスだと言っていた。
あまり深く突っ込むべきではないかも知れないがそういうことらしい。


少女妖怪も外見維持にいろいろ工夫していると感じ入る話である。