□月 ●日  No820 幻想郷の初期医療


今年も年末調整の季節である。 年末調整の紙が来るたびに今年ももうすぐ
終わりなのだと感じ入る。
保険屋からやってきた紙を転記すると季節を感じるのだから不思議なものだ。


さて、幻想郷で怪我をしたり、事故にあった場合は一体どういう扱いになるのか?
幻想郷は一応は陸続きであり、法律上は我が国の一部としてカウントされる。
従ってうちの職員や霊能局のメンツが怪我をしたら一応は現行法に従って保険が下りる。


今日うちの職員が怪我をした。 
こういうことは日常茶飯事である。なにしろこっちは妖怪たちを相手にしているのだ。
本来命があるだけめっけもんでもある。
怪我をしたらどうするか。慌てず騒がず救護班を呼ぶのがよい。
顕界と違って救急医療は現場で行われる。
もっぱら魔法などを使っての治療となるが、どちらかというと今後の治療をするための
体力付与と言われる術が用いられる事が多い。
これはどんな怪我であれ、最終的には気力がモノを言うとも言えるからだ。 


ある程度の処置が済んだら幻想郷の医療施設を探すことになるだろう。
一番安心なのはやっぱり薬屋のところだが、毎度混んでいるのに緊急医療に向かない。
穴場と言ったら紅魔館の医療施設もかなり侮れない。
ノーレッジ女史が片手間でやっているが魔法による治療はかなり効果抜群だ。
しかしノーレッジ女史の体力を前提にしていたため色々な意味でトラブルが起こってもいる。


ちなみに霧雨のご息女も簡単な治療の心得があるらしい。
主にねんざなどの治療魔法を習得しているようだ。
山道でのトラブルのときは頼りにするのもいいだろう。
幻想郷のほうが治療できたりすることも多く、だいたいのトラブルは
幻想郷内部で全て事足りてしまう。
今日もまさにそうだった。


ある程度の治療を済ませたら今度は顕界の病院へ行って診断書を書いてもらう。
ここで初めて保険が適用されるのだ。
おかげで思った以上に医療費が掛らない。 便利な話である。


閑話休題



朝倉が霧雨のご息女に治療を任せるのは危ないと主張していた。
精度がひくいため、骨の接合時に余計な接合をしてしまう場合があるそうだ。
しかし顕界でギブスをつけることを考えたらどう考えても幻想郷のほうがいい。
しかしこれは素人の治療。
薬屋や医療の知識をもつ明羅女史にとっては馬鹿馬鹿しいらしい。
くれぐれも幻想郷で初期治療を狙うなら下見と交渉してからのほうがいいだろう。


特にメディスン スズランの上で治療したら余計に状況が悪くなるのだから
即刻やめて欲しい。このように知らない人から治療を受けるのはやめたほうがいいだろう。