□月 ●日  No1127 緊急事態


緊急事態発生
二度目の空中給油の時に妙な話を聞いてしまった。
何でも、この度復活したという上人のところに押し入った賊が捕らえられたとのこと。
アホな奴もいるものだと思い何処のどいつだと船長に尋ねたら、
どう見ても異変解決に赴いたあの連中としか思えない。


彼女たちが捕らえられたのはこれが最初ではない。
月の都でも同じような事態に見舞われた。 
だが、あのときは捕らえられることが目的だったと聞いている。 
また、月の都の人間が人を殺害することは考えにくいことだった。
死そのものを穢れたものとして忌避しているからだ。


だが今回のケースは違う。
困ったことにその相手に幻想郷のルールが伝わっていない。
直ちに専門の対策チームが作られた。
あの三人をどうやって奪還するかということだ。


幸いにして、例の神社のカミ様二人を通して中の情報は伝わってきた。
そこで恐るべき事が行われていた。
三人の再教育が行われていたようなのである。
おまけに心根は素直な約二名は納得して教育を受け入れている。
対策チーム全員が絶句する。


カミ様は奪還しないで一ヶ月ほどこちらに置いた方が良いのではないかと言う始末である。
そこで分かったのは、どうやらこの魔法使いは偉い尼さんで、封じられたことを
ちっとも恨んでいなかったという事実である。
おまけに自称現人神は感化されて、我儘を言うことが減っているという。
なんか良いことずくめのような気がするが朝倉は断固として奪還を主張した。
その考えはボスも同じだった。 私的にはそのまま修行させてよいと思うのだが
きっと深い考えがあるのかもしれない。


かくして救助作戦が開始されることになった。
どちらかというと説得工作ということになるが、果たして上手くいくのだろうか。
とりあえず前線送りは免れたので本件を注視して見守ることとする。