自称現人神の神社で浄化槽のメンテナンスならびに浄化槽から排出される雑排水処理システムの
メンテナンス。
幻想郷にやってきて数年経過しているため、そろそろ現地の妖怪たちに作業の移管をすることに。
この日、一輪嬢が視察に訪れていた。 今度作られる仏閣に同様の設備を置くためだ。
人が集まることで発生する屎尿の処理を正しく行うため、大型の浄化槽が埋められているのである。
本来畑として撒くのが正しいのだが、女の子ばかりの世帯でそれは酷というものだろう。
お姉さんやケロちゃん帽のカミ様は大師様の対策に追われている。
どちらかというとどうやって信仰をかすめ取るかに集中しているようだ。
仏閣が出来た暁には自分のところの社を建立してしまうらしい。
文句を言われるのではないかと尋ねたら、神仏合祀は常識だと言われてしまった。
大丈夫なのか。
大師様はというと、船長とともに今、予防接種の類を集中して行っている。
なにしろ1000年の間に新種のウイルスが大量出現しているのだ。
身体を強化する能力があっても所詮は体力強化の類である。
病気になれば例え助かったとしても、延々とこじらせる結果となるだろう。
浄化槽を入れることになったのも実はそこにある。
できればダーティーゾーンを減らしたいというのがうちの意向だ。
予防接種の意味を伝えるのには手間取ったが、もっと大変なのは注射の意味を教えることだった。
仕方ないので私が最初に接種してから行うというプロセスをとることになった。
船長はなんと面妖なと言って驚いていた。 彼女たちにとっては現代医学は魔法そのものである。
有り難いのは大師様は道理が通じると言うことだ。 逆に言えば道理に適わない者は
まるで聞いてくれ無いとも言う。周辺への根回しをきちんとしないといけないので
とても疲れる。 口先でどうにかなるわけではないのだ。
ある程度打ち合わせして現代の概念を伝えるにはそれなりに時間は掛るだろう。
本当面倒で仕方ないと思う。