□月 ●日  No1270 現地買い出し


地霊殿の主人から地上の品物の買い出しを頼まれてしまった。
地上人の心が読めてしまうのが面倒だと思っていたら、どうもそれ以前の問題らしく
流通通貨が違うためという。 もちろん地霊殿とて外貨を全く稼いでいないわけではない。
地下鉱物を河童に売ってそこそこの利益を上げているが、結構叩かれているらしい。


そこで八雲商事の予算枠を利用して幾つかの品々を我慢することで幻想郷で買い物するなんて
トリッキーなことをやることにした。
具体的には少し高い商品を転売してお金にしてそれで買い物をするというやり方だ。
うちの会社から直接買い付ければよいのかと言うひともいるが、たとえば食料とかは
幻想郷でないと駄目なケースが多々あって結構面倒だったりするのである。


またうちの会社が幻想郷のキャパを超えて品物を提供しすぎると、幻想郷がデフレに
陥る危険もある。 幻想郷住人の貯蓄率はゼロに近いためデフレになれば
賃金低下を引き起こし生活水準が一気に低下する事態に繋がりかねない。


頼まれたものを総合すると、ヘチマ、米ぬかなどどうも温泉用の道具であるようである。
恐らく地下から吹き上げた間歇泉で商売をするのであろう。
うまくいけば結構な資金源となるはずである。


買い物なんて死体運び猫に任せればよいのではと考えたが
死体運び猫も灼熱妖怪達も基本お風呂嫌いだそうで、お風呂が絡んだものを
買いに行かせると食べ物になってしまうと言う。
色々難儀な話である。


そんな調子で銭湯が商売になるのか大変疑問だが、やってみないと分からないだろうし
しばし静観するとする。 できればこれ以上面倒ごとが増えないよう
成功して貰いたいものだ。 もっとも何かしらサービスを提案しないと
客は集まらないと思っている。