□月 ●日  No1271 メイド長の風邪


久々に紅魔館に納品に行ったらメイド服の美鈴女史が応対してきて
驚くやらぶっ飛んだ。
何でもメイド長が風邪を引いてしまい寝込んでいるらしい。
多少の風邪なら、時間停止しながら休むことで体力を回復しているのだが
今回は一気に熱が出ているようなので、発動に一定の集中力を要する時間停止テクは
使いにくいらしい。


薬屋を呼ぶかと提案。 美鈴女史が本人に聞きに走ると。
奥から死んでも嫌という言葉が返ってきた。
確かに薬屋はここの面子とはあまり相性が良くないように思える。


仕方ないので症状を聞いて、うちの会社で薬剤師の資格を持つ人に聞いて
薬を手配することにする。 後で触診とか聴診器当てるとかできるだろと
会社の人に言われたが、それは死にに行くようなものだ。
できれば会わないで、けりがつけばそれで良いのではと思う。


酷い下痢と高熱ということなので急性胃腸炎と目星を付けて
整腸剤や胃薬、解熱剤を処方する。
ここで、ちょっとした違和感を感じた。 
どうもこの薬屋は私が一般的に使っている薬と違うようなのだ。
むしろこの薬は薬屋が自分で飲んでいる薬に近いと思う。


間違った薬だと思って問い合わせると確かにこれで正解ということなので
とりあえず渡したのだが、果たしてこれで大丈夫なのかと思う。
もっとも会社の薬剤師さんは何度かメイド長への薬も送っているというから
多分間違いないのだろう。


薬を処方して数時間後に再び紅魔館を訪れるともうメイド長が仕事に復帰していた。
風邪は完治したという。
やはりメイド長は人間じゃないのかと心の中で思ったのだった。


あとで朝倉から諸症状緩和の後に時間停止して身体を休ませただけだろうと
言われて納得した。