□月 ●日  No1279 雨水


雨水。 幻想郷では畑仕事の準備が始まるため、村ではあちこちで寄り合いが開かれる。
植物の活動も活性化。夢幻館では最初の目覚まし時計が鳴り響く。
この目覚まし時計は寝ぼけ眼の風見女史により跡形もなく破壊される。


うちの会社でも、管理する畑に植える作物のミーティングが開かれた。
毎年ジャガイモを植えており、いざとなったときの栄養源となる。
炭水化物を手っ取り早く補充できる上、料理としても応用が利きやすく、
根菜なので盗難されにくいなど色々とメリットがある。


不足する種籾、種芋などの発注も相次ぐ。
ホームセンタールートを利用しての注文なので結構安く入る。
社員販売も結構流行っており、プランターで芋を植える人が結構居る。
多少放置しても枯れないところがミソだ。


よく、幻想郷に物資を運び入れることができるのなら食べ物を直接持って行けばよいのでは
という意見もあるが、幻想郷には田畑のカミなども住んでおり、ないがしろに出来ない上
畑は一度荒れると元の耕地になるために倍以上の手間が掛かってしまうという理由もある。
田畑は維持してなんぼであるということだ。


この時期になると妖怪達の測量も行われる。
耕地面積に再設定や作業分担のために行われるらしい。
上空からの測量ができるので、三角関数で計測する測量よりも効率がいいという触れ込みだが
最終的な書面にまとめるときはなぜか正攻法の測量になるのは不思議である。


今年は風見女史起床要員に選ばれなくて良かったと思う。
あれは本当に死刑宣告も同様だ。
これから決算で忙しくなるのにここで中有の道行きになったら笑い事では済まされないだろう。
某ホームセキュリティ会社から起床させるためのロボットが投入されるそうだが
たぶんすぐにスクラップになるだろうなと思ってならない。