□月 ●日  No1787 他力本願型景気減速


幻想郷のとあるムラの生産性が極端に低下しているという話を受けて調査。
既に、天狗がムラを偵察しているが、状況はかなり悪いらしい。
経済が停滞すると人間が飢え出すので最悪の事態は打開したい。


幻想郷では独特の景気後退が発生する場合がある。
それは妖怪の力が具現化されている世界であるが故に起こる。
つまるところそれは他力本願型景気後退というもので、カミが起こす奇跡によって
勤労意欲が低下するという現象である。


面白いのは大破壊が起こった場合はこのような事は起こらない。
スペルカード戦などの理由で街が破壊された場合は割と皆早く復旧する。
日常茶飯事だし、それを当て込んだ商売が回るからだ。
だが、幸運などと言った所謂利益をもたらす奇蹟の場合はとても始末が悪い。


自称現人神でさえ利益をもたらす奇蹟は結局のところ利権構造を生んで
結果的に彼女自身が幻想郷に避難するハメに陥った。
彼女たちに奇蹟による景気減速の話をするとあっという間に理解してもらえた。


さて、今回の場合はどうなのだろう。
基本的な解答は経過を見守ることである。いずれ生活が困難になるが仕方ない。
それでも駄目なら次の段階へ移行する。
大きな店舗を誘致するのだ。


他力本願に陥っている店をたたきつぶすのは外からやってきた店にとっては
全く脅威ではない。状況を一切改善しようとしないからだ。
もちろん中には状況を改善するために動き出す者もいる。
我々はその存在に賭けるのである。


このムラが元に戻るかどうかは年単位の時間が掛るが果たして上手くいくかは
今後の流れを観察しないとならないだろう。
いずれにせよ厄介な問題だ。