□月 ●日  No2057 親しき仲にも


絶対忘れてはいけないことだが、我々は妖怪を相手に商売している。
この基本的な部分を忘れると後々酷い目に遭うだろう。
どんな妖怪でも人間に襲いかかる要素は常に持ち合わせている。
可愛い動物が人間に噛みつく場合とそれは大きな差が無いかも知れない。


最近気づいたのだが、我々八雲商事社員はそもそも人間と思われていないようだ。
妖怪相手にも物怖じしないし、むしろ有利に話ができれば確かに妖怪と云われても
そうおかしくはないと思われる。
薬屋に、あなたたち妖怪とそうかわらないでしょと言われて色々コメントに窮した。
確かに妖怪という諸条件は色々クリアーしているように思えるからである。


さて、気をつけないといけないことといえば妖怪は種族によっても一枚岩では
ないということだ。先の話でもあるのだがたとえば八雲商事の河童は人間を
襲う場合のデメリットを熟知しているが、中には本当の意味で打ち解けて居ない
者もいる。勝手に好意を抱いて勝手に裏切られたと考えて危害を加える者も居る。


こういう妖怪に出くわした場合は妖怪だけを責めないことがセオリーだ。
考えても見れば、人間だってそういう人種が少なからず存在する。
妖怪もそういう意味では人間とそう変わらない。 銃がスペルカードや
能力に置き換わっただけであり、基本的に妖怪も人間も追い詰めなければ
潰れる心配はないのだ。


その逆も然りなのだが。
勘違いしている人が多いが、妖怪は純粋な思考をしていると
どこかの左翼思想系の妖怪紹介雑誌に感化されて、妖怪に近づいて
事故を起こすケースはなんとかしていただきたいと思う。
薬のせいの場合もあるのだが、妖怪達も良い迷惑なので
この辺で釘を刺しておきたいところである。