□月 ●日  No2161 避暑地


最近あまりに日が続くので妖怪も人間もばて気味である。
特にこの時期に熱射病になろうものなら墜落死などの危険もあり、この時期に異変を起こすのなら基本夜にしろという
どうしようもない裏ルールまでできる始末である。


そんなさなか天狗たちの間で流行っているのが雲の中を飛行することである。
結構涼しいらしい。もちろんマスク着用の上でやらないと色々アレだし、着陸すると濡れた体がすけていい感じになるので
これはこれで、いや違った 風邪を引く可能性がある。


こうなると、人が増えるのは地底ツアー。最近は宴会も地底で行われる頻度が増えてきた。
移動量が少ないし、とても涼しい、地下水はとても冷たいからお酒を割るのに最高ときている。
嫉妬妖怪がいた橋も被害にあっている。妬ましいと言わせる暇は与えない。真っ先にべろんべろんにされて
前後不覚にした後、橋が占拠されるのである。お持ち帰り希望の方は今がチャンスだが意外と復帰が速いので
要注意である。


納涼と言えばやっぱり驚かせ系といいたいところだが、人気があるのはこんにゃくばかりで、傘とかタライはあまり
人気がない。タライは水をかけると驚く前に喜ばれる始末で、これまた本人にとっては複雑な心境のようだ。


これはこれでいいのだが、いかんせんうちの基地から遠いところで宴会をやられるのでこちらの手間が半端ない。
地底だったら地底でやってもらったほうがいいのだが、こうも間だと運ぶのも容易なこっちゃない。
結局酒さえ運べばとりあえず大丈夫なので、酒大量、飯ちょこっとということで納得してもらっている。


ちなみにこのプランを作ったのがあの秋姉妹と聞いて、ああ、そういえばそんな季節だよねという感覚と
そろそろ邪魔されたくないんだろうなという事情が見え隠れしてなんだかなあと思う。