□月 ●日  No2242 俺この戦いが終わったら帰るんだ。


みなさん弾幕というのがどれだけやばいかご存知でしょうか。
幻想郷の弾幕というのがどれだけやばいかについては結構語っておりますが、その実例を挙げてみましょう。
街中で、弾幕戦が起こった場合どんなことが起こるのかって話です。


最初は喧嘩でした。うちの端末って弾幕の巨大転送が起こったときに警報が鳴るんですね。緊急地震速報みたいなやつで
数秒間を稼ぐというものです。あまりけたたましくなるとこっちが危ないのでバイブレーションの場合も多いのですが
久々に聞いた警報でつい体が竦むのですね。
気が付いたら50メートル先で弾幕発射用の砲台が組みあがっていました。魔法陣とかから弾幕が出るとしても
組みあがるには数秒のラグがあるのです。


つまりラグが起こっている間に可能な限り身を隠すことが必須となります。
通報がいけば周辺に結界を張ることもありますが、まだ結界が張られている様子はありません。
距離を取るというのは結構正しい選択かもしれませんが、この場合は可能な限り、斜めに逃げることが求められます。
後ろを見たらたぶん死にます。


後方で「ひゅん」という音が鳴ります。あまり聞きたくない「ぐしゃ」って音もなります。それが人間でないことを
祈ります。場合によっては自分も肉の塊になるかもしれません。
幻想郷は意外と遮蔽物が少ないのです。多くの場合は木造で、逃げるには心許ないないのです。
井戸の中に逃げるという選択も結構いいらしいのですが、井戸が流れ弾で崩れ落ちるという事例もあるのであまり
おススメできません。
妖怪たちが地上戦から空中戦になると対応方法はさらにかわります。


屋根に無数の穴が開くので、家に駆けこんで畳を一気にひっくり返します。厚み5センチ強の畳は結構いい水準の盾です。
周辺住民も畳を活用して流れ弾対策をします。実際に盾として使った謂れもあるから防御効果は中々です。
畳を介してどすどすという感触がやってくると生き延びたって感じがします。
畳は相当重いのですが、人間いざとなったら火事場の糞力がはたらくものです。といっても畳のヘリに持ち上げる用の
紐がついているんですよ。 それを利用すれば結構違うのです。


とはいっても家は顕界と比較してとても弱いですからあっさり破壊されていきます。屋根が軽いと言いたいところですが
屋根瓦ではなく板葺きでおまけに風対策で石を置いている家がすくなくありません。
つまり屋根が破壊されると石が落ちてくるのです。当たったら確実に即死でしょう。


月ウサギたちも弾幕の危険性にぞっとしたといいますが、なんだかんだいってもあれは殺傷兵器です。
面白半分の弾幕ごっこは控えていただきたいと思い、当事者の妖怪たちが連行されていくのを横目で見ながら失礼いたします。