□月 ●日  No2584 お金をもって幻想郷に縛る術


皆さんお気づきのことかと思いますが、年々異変の質が落ちているという意見がございます。
昔は春の訪れが遅くなるとか、特定場所に霧が発生して晴れないとか、やもすれば莫大な
被害総額が算定されるような異変ばかりでありました。


このところの異変はというと、幽霊が大量発生するとか、付喪神が発生するとか、辺境の妖怪が
暴れるというような被害範囲が小さくなるようなトラブルばかりとなっております。
もっとも直近の異変はやもすれば大量の被害総額が予想されておりましたが結果オーライです。


なんで、こんなことになったのかについてお話しないといけません。
要するにですね、異変を起こしたあとは後始末が必要になるのですがうちも予算がそこまで
潤沢ではありません。
当然幾らかのご負担をお願いしているというわけです。
あの薬屋もお店を始めた理由のいくつかがそのご負担金の返済というお話があるくらいです。
その辺例の神社は狡猾で割りと裏に手を回して被害額をほぼゼロにしていたわけでありまして
こういう風にやらないととんでも無いことになるわけです。


何時の世も借金漬けというのは特定のものを拘束するのにとても有効だそうで
妖怪相手でも効力を発揮するというのは狸どものお話であります。最近まで狸たちが
どこでも生き延びれたのもその辺の事情にあるわけです。


さて、一歩間違えれば大損害の今回の異変でしたが、もし賠償請求があったら下克上どころか逆さ城が一発で
借金という名の弾幕で落とされるという展開が見えたり見えなかったりはありそうです。
あんがいこれが打ち出の小槌の副作用なのではないかと、付喪神一同ため息をついているわけであります。