2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

○月 ▼日  No304 コガネムシ

北白河と一緒に香霖のところへ納品に行く。 今回北白河に同行してもらったのは、香霖に経理処理の 勉強をさせるためである。 香霖堂は赤や黒の破壊魔たちにより破壊活動や収奪行為を受けている。 その被害額を明確にしてうちの会社から仕入れする代金と 相殺…

○月 ○日  No303 流し雛

川の上流から流し雛が流れている。 厄神様が人々の厄を引き受けるために行っているらしい。 その姿は美しく穢れない。 おおよそこれが厄にまつわる祭事のようには見えない。 厄神様というものは会ってみるとおおよそ厄という言葉から遠いところに 居そうな風…

○月 ○日  No302 その能力はメリーだけのものではない

人間は限界を超えたときにほんの一瞬だけ「境界」を見ることができるという。 それはトラック競技の出来事だった。 私は普段どおりにオリンピックの競技を呆然と見ていたら アナウンサーが妙に興奮した口調で話している。 選手は普通にゴールしていたし、傍…

○月 ×日  No301 妖怪と禁酒法

米帝上がりの妖怪たちの相次ぐ新築ラッシュでうちの職員が てんてこ舞いになる。 築年数がかなりの水準になっており補修もそろそろ限界になったためだ。 こうした米帝上がりの妖怪たちが一斉に新築を始めたからたまらない。 森が切り倒されると色々と大迷惑…

□月 □日  No300 人の日記をみるな

朝倉に日記を見られた。 香ばしい匂いがすると言われた。 いくらなんでもあんまりだ。確かに自己陶酔気味は認める。 この仕事はある程度自分を催眠状態にしないとやっていられない仕事である。 それくらいこの仕事はストレスが多いともいえる。 ニヒリズムに…

□月 ■日  No299 ビンテージもの

幻想郷においてたまに困るのが楽器など手工業比率の高い商品の納品である。 幾つかの楽器は幻想郷で作られたり、河童の工場で作られたりもするのだが、 当然の如く自給にはほど遠い。 そして幾つか厄介な問題に突き当たる。 特に深刻なのは材料の不足だ。 お…

◎月 ■日  No298 幻想郷の浴室事情

今日は紅魔館にノーレッジ氏が使うという米帝製の石鹸と浴槽を納品する。 国内の商社経由で購入したらやたらお金がかかった。 国内商社だと納期が一週間弱に短縮できる。 輸送を待ったらまたメイド長に何をされるかわからない。 重量はたいしたことはないの…

◎月 ◇日  No297 幻想郷における水道

いつものように香霖堂へ納品へ行くと香霖が水道の蛇口を見て なにやら呻いている。 彼はものの名前と用途について知ることが出来る能力があるため、 水道の概念が理解できずに悩んでいるのだろう。 私にこの蛇口をひねると本当に水がでるのかと聞いてきた。 …

◎月 ■日  No296 酒癖悪すぎ

うちの会社の連中と居酒屋で飲み会に行くと大抵ろくな目に遭わない。 まず朝倉が暴れる。「こぁぁ」と右腕振り上げて叫びだすので、 幾つかの居酒屋で出入禁止を食らっている。 最近では被害を最小限に抑えるため、居酒屋を丸ごと貸しきってしまうことが多い…

◎月 △日  No295 幻想郷でも生水危険

いくら幻想郷でも、生水を何も対策もなしに飲むのはやはり危険である。 水質の関係から、新入社員は腹痛の洗礼を受けるのだ。 かといって、ミネラルウォーターのペットボトルを持ち込むのはまずいので 竹筒のパッケージに包まれた米帝製の浄水器を 携帯した…

◎月 △日  No294 世間の荒波に揉まれる鬼たち

博麗神社に居候している鬼娘がいるが、幻想郷にいる 純血の鬼の個体数は極めて少ない。 彼らにとって幻想郷は、理想郷であるはずだが意外と単純な理由がある。 第一に鬼の大方が結界の外に住んでしまったことが挙げられる。 退治された鬼がいる一方人間と混…

◎月 ▼日  No293 正しい情報戦のやりかた

ネットの情報を彷徨っているとたまにどきりとするする時がある。 幻想郷のことについて具体的なことが書いてあるときがそうだ。 幻想郷の存在は表向き秘密とされている。 こうした情報がのっているサイトは社内在籍の鴉天狗たちが随時マークしていると言う。…

◎月 ●日  No292 妖怪ネゴシエーション

結界の外で妖怪を使った万引き窃盗犯が跋扈している。 元締めは中国系といったところか。 万引きした商品の価格の50%で買い取っているという。 捕まえても住所不定だし、「もし逆らったら幻想郷へ連れて行かれてしまう」 と答えているらしい。 霊能局から…

◎月 ■日  No292 幻想郷の非常食

幻想郷には基本的に検疫上の理由から個人で一定以上の食料を 持ち込むことが禁止されている。 私がレトルト食品を使わず調味料一式を持ち歩くのはこのためだ。 また、幻想郷に持ち込む食料は概ね、加工レベルを制御されている。 冷凍食品のように幻想郷では…

◎月 □日  No291 不浄

ずばり言おう。幻想郷のトイレは臭い。 とにかく臭いひたすら臭い。 芳香剤の類なんかないし、水洗トイレは皆無である。 現代では洗浄便座に強力な脱臭機能がついており、 座っただけで脱臭機能が働く もはやキッチンよりも清潔になったトイレに慣れれば幻想…

◎月 ×日  No290 死を操るということ

冥界にある白玉楼に棲むお嬢様。彼女には死を司る能力があると言う。 彼女は冥界に妖怪桜とともに封印されている。 私が不思議に感じるのは、「彼女が抹殺されずに封印されている」 という事実である。 隙間妖怪の友人だから特別扱いされるのだろうか? 恐ら…

◎月 ●日  No289 幻想となりし技術

建物の構造の流行は変われど基本的な構造は、 何年経っても変わらないものだ。 昔の人が思い描くコンクリートの建物は、比率こそ増えたものの 現代も木造住宅が中心であることには 何も変わりない。 ただ、建築の方法が変わっただけだ。 一方で幻想郷では数…

◎月 ○日  No288 兎はいい迷惑

最近夜の歓楽街にブレザー兎が出没すると言う噂を聞く。 そしてその噂と同時にブレザー兎に対する 付近住民のセクハラが増えていると薬屋からの通報があった。 この案件に関して薬屋と仲が悪いはずのボスが動き出した。 なにかの思惑があるのだろうか。 作戦…

Intermisson3

突然の夕立はすぐに止んでしまった。 涼風が吹くことを期待したが雨はこの街を冷やすには不十分すぎた。 むしろ、水蒸気が飽和して汗の蒸散を妨げた。 衣服の下には汗がにじみ、べたりと張り付いている。 雲の間から覗く紫がかった空があたりを覆っている。 …

○月 ★日  No283 光触媒と幻想郷

結界がインフレーションを起こしても、私の普段の仕事は変わらないわけで 配達の仕事は続いている。 今日は上白沢に教材類を持っていく。彼女はプリントを作るのになんと版画を用いていたので ガリ版印刷機を用意してみた。彼女は大喜びである。 本当ならワ…

◎月 ×日  No286 八雲商事と豊穣のカミ

妖怪の山の一角に建設された真新しい駅 そこには幻想郷に運ばれる様々な物資が一時貯蔵される。 その食料倉庫では一ヶ月に一度の頻度で、豊穣のカミに対する 感謝の祈りがなされている。 豊穣のカミは幻想郷では実体化しており観測することが可能だが、 当の…

◎月 ○日  No285 幻想郷におけるゴミ問題

会社の近くでゴミ集積所建設反対の市民運動が開かれているらしく 煩いといったらありゃしない。 ゴミ問題は多くの利権が絡んでおり、物事は単純ではない。 市民運動でどうにかできれば苦労はない。 技術的にはゴミを減らす方法はいくらでもあるし、 米帝では…

◎月 ★日  No284 博麗に関するお勉強

博麗の巫女に関する情報を熟読してみる。 彼女は天衣無縫であり、同時に物事の本質を瞬時に見抜く力があるらしい。 私は博麗の巫女をいわば自分を映す鏡だと思っている。 彼女を冷たい人間と思うのは自分が冷たい人間だからであると思っている。 巫女につい…

○月 ◇日  No282 奥さんちょっと聞いてくださいよ

河童にこれだけは言っておきたい。 私も岡崎も人間です。 ホモサピエンスです。 宇宙怪獣アラズンバじゃありません。 だから何故私に「今日人間に会ったよ」と言わないでほしい。 うちの会社のIRシステムに河童がハッキングを仕掛けていることは 既にわか…

○月 ◆日  No281 巫女様と功徳の話

博麗神社の人入りが極端に少ないのは今に始まったことではない。 巫女様は、妖怪ばかり近寄るようになったからと思っているようだが うちのボスは違う見解を出していた。 「徳が足りない」というのだ。 そもそも博麗の巫女に徳があり、皆からも慕われる人間…

○月 □日  No280 幻想郷の栄養

スーパーの一角で北白河と鉢合わせる。 お互いの買い物カゴをチェックするとなかなか面白い。 北白河のカゴには鮮魚が多い。 幻想郷では物流が弱いので新鮮な魚の入手が難しいからだ。 山の幸は幻想郷の食べ物がナンバーワンだが魚については、 生魚を食べな…

○月 ■日  No279 八百万の神と偉人たち

紅葉のカミと聞くと私は二宮金次郎を思い出す。 彼は農政家としての能力を如何なく発揮した偉人であるが 同時に紅葉のカミにアクセスできる能力を 無自覚ながら持っていたというのだ。 事実、彼が立て直したムラは飢饉が発生したにも関わらず 一人の餓死者を…

○月 ○日  No278 そしてシュプレヒコール

魂魄がまたまた新入社員に変なことを吹き込んでいる。 「いいかお前たち、河童たちに対抗してわれらがアイドルちゆりに ランドセルを背負わせるべきである」 「異議なし」 「良くぞ言ってくれた」 「さらに、上半身はセーラー服、下半身はブルマこそが最強で…

○月 ○日  No277 幻想郷におけるリスクマネージメント

組織において特定の人物に戦力を依存することは非常にリスクが高い。 万が一その人物の身に何か起こったときは対処のしようがないからだ。 そのため後進の教育は常日ごろから欠かしてはいけないことである。 玄爺は企業を廻って警備員の訓練をやっているし、…

○月 ×日  No276 河城河童

うちの会社の支部を撤収する際に、会社においてあった幾つかの 武装が行方不明となっている。 恐らくは、河童や天狗と言った高知能妖怪が横流ししている可能性が あるという通達が流れた。 里香女史がたまたま、結界外にいたのも災いした。 武装の棚卸しが一…