2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

○月 ×日  No335 幻想郷の歯医者

博麗の巫女といい霧雨のご息女といい、まず感じるのは一般の幻想郷の住民と違って 均整の取れた顔をしているということだ。 特に顎の周りの筋肉に大きな違いがある。 幻想郷の女性は総じて丸顔が多いのだ。 この理由は食生活の違いにある。 博麗の巫女は何だ…

○月 ×日  No334 混怪と書いてコミケと読め

朝倉に連れられて始発の電車に揺られ見本市会場へ。 妖怪が跋扈跋扈しているという現場へ連れて行ってもらうも そこには妖怪は居なかった。 いるのは私とは住んでいる世界が違う人たちばかり。 朝倉は「物の怪が混むところ すなわちコミケなのよ」と力説して…

○月 ×日  No333 信仰のエネルギー

岡崎がオカルトパワーと呼称している力がある。 朝倉に言わせればそれは「信仰のエネルギー」と言うらしい。 「信仰のエネルギー」とは宇宙物理学の「真空のエネルギー」を もじった言葉であろう。 「真空のエネルギー」とは宇宙のインフレーション理論にお…

○月 ×日  No332 パテントの大人買い

とある家電王手企業が経営難に陥った。 娯楽部門で経営上の大失敗をやらかし数千億の赤字を計上した。 決算の内容を見る限り、現在の在庫が不良在庫することを計算に入れれば、 赤字はもっと膨らむことは必至である。 妖怪資本はこの企業に対して資金注入を…

○月 ×日  No331 幻想郷もグローバル化

最近は妖怪もグローバル化の時代らしい。 欧州からやってきたヴァンパイアの姉妹やプリズムリバー家の面々、 アジア圏の美鈴女史などなど当然、幻想郷内部も他民族文化が進入して 結構面倒なことになってきている。 私が物を配達するときはGPS装置とコン…

○月 ×日  No330 月で戦争をおっぱじめるには

十数年前に打ち上げられた月面観測衛星が役目を終えて大気圏で 燃え尽きることになったらしい。 月には知的生命体が居るにもかかわらずここまで無礼な観測を繰り返していれば なにかしら反応はあると思うのだが今日まで月からのまともなリアクションは 殆ど…

○月 ×日  No329 転売屋は害悪ね 同じ暗号使っても無駄

米帝で妖怪関連を扱うMIBなる組織があるのだが、そこのおっさんが ブレザー兎からサインをもらってくれとせがんできた。 前髪前線が少し後退気味でサングラスをかけてなかったら威厳はゼロに近いだろう。 朝倉にそのことを話したら、色紙を取り上げ「優曇…

○月 ×日  No328 予防接種はきちんとしましょう

幻想郷では現代では絶滅したはずの病気も残っている。 薬屋に納品に行ったときのことである。突然足が熱いと 言う少年が運び込まれた。 診察をすると、足の部分に犬に噛まれた跡がある。 抗生物質を投与すればいいのでは言ったら薬屋に素人は黙っていろと言…

○月 ×日  No327 人間だからできることもある

妖怪と人間は根本的に違う。 人間は脆弱だが弱さゆえに知恵を絞り今日の文明を生み出した。 妖怪は強かったが知能もあるゆえに人間の文明におんぶすることができた。 そんな両者が全く同じ立場になる瞬間がある。 先日うちの会社に一人の妖怪がやってきた。 …

■月 ×日  No326 アイデア商品の行き先は?

幻想郷に送る商品で非常に困るのがアイデア商品である。 技術力を要しないが、人々の暮らしをよりよくすることができる物である。 たとえば、ドクター中松氏の灯油ポンプあたりがそれにあたる。 こうした品々が幻想郷に入るときには、検疫部の里香女史中心の…

○月 ×日  No324 米帝のメイドロボ

玄爺の報告によると米帝にある日系企業がメイド型のロボットを 開発しているらしい。 前に岡崎が博麗神社に持ち出したメイドロボに似ていなくもない。 てっきり、愛玩用にでも使うと思ったら妖怪退治にも利用できる 戦闘用ロボを目指していてびっくりした。 …

○月 ×日  No323 幻想郷のトイレ事情その2

幻想郷に行ってびっくりしたこと。 意外や意外、幻想郷にはきちんとトイレットペーパーがあるのである。 といっても今のお尻に優しいものではなく、古紙再生紙である 「ちり紙」を使用している。 紅魔館では現代とほぼ同じトイレットペーパーが存在する。 ト…

○月 ×日  No322 宣伝企画

岡崎と北白河 そして私で視察のため国際福祉機器展にお邪魔する。 思った以上に大規模で度肝を抜かれた。 今回この企画が持ち上がったのは、阿礼乙女対策のためである。 阿礼乙女は10代後半あたりを過ぎた頃から、筋力の低下が見られ始め 数年後には完全に…

○月 ○日  No321 痛船

最近冥界への用事が増えており、三途の川も見知った風景になりつつある。 そんな三途の川だが、今その川で異変が起きている。 死神たちの船にはある程度までならペインティングなどが赦されている。 たとえば、死者に対しての説明書きの写しとか、暇を潰すた…

○月 ■日  No320 幻想郷を支える資金

横田空軍基地からフロリダを経由、米帝の専用機で一路カリブ海へ 大英帝国領ケイマン諸島は法人などの所得に一切の税金がかからない タックスヘイブンである。 そこに集まる多額の金はブラックマネーも多く、それゆえに顧客の資産は 徹底して防衛することを…

○月 ×日  No319 北白河のコメント  

大英帝国のMI6のみなさんとうちの会社のひとたちで お食事会に行ったぜ。 理香子さんはお留守番だぜ。 キシャー とか フー とかやってたけど 麻酔剤とパイプ椅子の殴打で静かになったぜ あんたは男ならなんでもいいのかと思ったぜ ご主人は通訳ばっかりで…

◇月 ■日  No318 幻想郷における罪人の末路

あたりが朝焼け染まる頃、幻想郷のとある河原で磔になって 事切れる寸前の人間を見つける。 体中には苦無や手裏剣が刺さっており、そこから少しずつ 血が滴り落ちている。長くは持つまい。 ここから数キロ先に繁華街があることから、おそらくそこで ひと悶着…

◇月 ×日  No317 中国の妖怪退治方法

魂魄と一緒に中国発の妖怪退治方法について研修に行く。 外の世界の魂魄はビジネスマンの風貌でネット端末を持って、 剣士だった面影を一切感じさせない。 魂魄曰く実は中国はしばしば政変と焚書により、 歴史が分断されているため意外と情報が少ないらしい…

◇月 ◇日  No316 月人のはなし

ボスと薬屋はとても仲が悪い。 どうやら薬屋が嫌いと言うよりは月人そのものが嫌い というのが正しいようだ。 地上の民を下賎の者と称しまるで神が裁くかのように振舞っている。 だけどそれは人間も同じではないか? と思う。 もしかするとボスは人間もあま…

○月 □日  No315 幻想郷的姥捨て山

上白沢がいきなり妖怪の山にある事務所に上がりこむや否や IRシステムを今すぐ貸せと言い出した。 元々は河童たちが作り上げた人間を監視するためのシステムの総称である。 うちの会社も河童から借り上げる形でIRシステムを利用している。 インフラはう…

○月 ●日  No314 生命誕生と月の魔力

この星に生命が生まれて早40億年が経過したらしい。 その頃の月はとても近いところにあって、 生命の源である海を大きく揺らしていた。 そこにできた無数の泡の中で代謝を行うものが現れた。 これが顕界出身の岡崎夢美が教える生命誕生のシナリオである。 …

○月 ★日  No313 幻想の病気はかなりこわい

社内部で予防接種ラッシュ。 幻想郷では結界の外ではとっくに撲滅した病原体の類もそのまま生きているため 面倒でも予防接種が欠かせない。 逆に外の世界では妖怪専用の予防接種があるわけだからお互い様である。 幻想郷で勤務するのも楽ではない。 化学物質…

○月 ×日  No312 八雲商事の通常業務とは

私の会社は博麗大結界の外の世界 すなわち顕界からからせっせと 物資を運びこむ仕事をしている。 たとえば、砂糖や塩などといったものから河童の工場で利用される鉄鉱石やボーキサイト 発電用のメタンハイドレートなどさまざまである。 いわば合法的な神隠し…

○月 ×日  No311 ロケットの注文

うちの会社はつくづく因果な商売である。 幻想郷が混乱状態にあっても月でなにが起こっていても 結局は他人事であり、特に業務そのものは変わらない。 しかしここ数日列車の運行ダイヤが大いに乱れている。 船やタンカーは正常に動いているそうだから 最悪の…

○月 ×日  No310 米帝のMIB

米帝版霊能局ことメンインブラックことMIBが実在していたことに唖然とする。 考えてみればあって当然と言える。 映画007でお馴染みのイギリスのMI6も実在していたし、 メディアのプロパガンダは凄いと感じ入る次第。 MIBが取り締まっているのは…

○月 ×日  No309 異変の兆候

過去の歴史を紐解いていくと、侵略を受けた国は例え相手を退いたとしても 国家の崩壊は免れないらしい。 具体的な例を挙げれば鎌倉幕府がそうで元寇の後の幕府が システム崩壊を起こし室町幕府へと政権交代したといわれる。 侵略を受けた国は勝利しても、結…

○月 ×日  No308 河童の光学迷彩

八雲商事製光学迷彩 光学妖精が姿を消す挙動を再現した現代科学の結晶である。 兵器産業をはじめ多くの場所で売れると目されていた。 しかし、あまり売れなかった。 理由は簡単 誤射が増えたからである。第一次世界大戦の兵器研究再びというわけだ。 当初は…

○月 ×日  No307 まーこんなもんです

私の仕事は、幻想郷といわれる隔離世界に物資を運び続けることである。 幻想郷とは古代の賢人が作り上げた論理結界の中にある一地域であるが、 そこにあるモノは幻想郷内だけでは残念ながら自給することが不可能である。 幻想郷が生まれた当初は人の出入もあ…

○月 △日  No306 問題はそこじゃないだろ

香霖堂での出来事。 幻想郷でオフを迎えたのでプライベートに遊びに行くと一枚の張り紙 「河城にとりの春画は売り切れました次回入荷未定」 「秋姉妹の春画予約受付中」 とあった。 私が来るときははがしていたようだ。 横でスティンガーを構えている里香女…

○月 △日  No305 南米の宝物

朝倉に連れられとあるオークションに足を運ぶ。 ここには南米の古代マヤ文明の美術品が 日々競売にかけられている。 問題はこの美術品が殆ど盗掘であるということだ。 治安が悪かったり半分無政府状態だったりするせいで、満足に遺跡の 護衛もできないという…