2007-01-01から1年間の記事一覧

△月 □日  No464 紅魔館のひとたちとつきあいたくない

よく勘違いされるのだが、私は紅魔館の面子とはお客様とは思っていても 知り合いではない。 仕事の間柄としての伝手はあってもプライベートの 繋がりは一切無いと思って間違いない。 それなのに私には何度か、紅魔館の門番やらメイド長やらノーレッジ女史や…

△月 □日  No463 電気あんま

うちの会社で「姫ちゃん」と言えば閻魔様のことである。 突然うちの会社に顔を出してはボスと適当にお茶を飲みながら話をして帰ってしまう。 そんな姫ちゃんのファンも数多く、社内ではファンクラブができているらしい。 閻魔様もまんざらではないらしく、フ…

△月 □日  No462 自称現人神のちょっとした行動

自称現人神を上白沢の寺子屋に入れる計画を実行に移す。 幻想郷では我々の言葉もある程度は通じるのだが、方言や我々の世界で用法が変わった 言葉などで、彼女の廻りにはちょっとしたトラブルが頻発していた。 その都度明羅女史が応対していたのだが、根本的…

△月 □日  No461 偉大なる先駆者達へ

うちの会社に笑顔を絶やさない好々爺が訪ねてきた。 聞けば元うちの社員で今はどこかの街の町長さんをやっている人らしい。 ボスとしばらくの間談笑した後、朝倉や冴月に深々とお辞儀をして帰っていった。 朝倉がこの人物の昔話をしてくれた。 彼は元々腕の…

△月 □日  No460 幻想郷の商慣習

幻想郷のお店は我々が住む世界と大きく違う。 まず気がつくのは値札がついていることが少ないということだ。 価格は交渉によって決める。 これは香霖堂でも同様である。 まず商品の品質が安定しない。 工場制手工業によって作られる様々な商品は 手にとって…

△月 □日  No459 大移動

ハロウィン終了に伴う帰省ラッシュで冥界が大わらわとなる。 お祭りの後はでるわでるわゴミの山。 魔界の職員たちがせっせとカボチャランタンを処分している。 今年も結界の外では、環状線の駅構内で妖怪たちが酒を飲んで大暴れした挙げ句、 半ケツ状態で金…

△月 □日  No458 組合とセーフハウス

幻想郷で働いていると時間の感覚が狂いやすくなる。 スローモーな生活に浸りすぎていると、ふと現実に戻される出来事がある。 組合の人に呼ばれて「働き過ぎ」と言われるときだ。 もちろん幻想郷の仕事は拘束時間こそ長いが実際はゆったりとしている。 とは…

△月 □日  No457 運の話と野生の闘賽

幻想郷にも裏社会というものが存在する。 外の世界から流入した人間が悪さを するのを防ぐためや、様々な理由で社会的落伍者を取り締まるために 必要悪として存在している。 彼らの名前を「ヤクザ」と呼ぶ者がいる。 厄を自ら引き受けて廻りを浄化する 厄神…

■幻想資料集を更新 補償光学装置と天文学の進歩について

△月 □日  No456  水子の話

香霖堂への配達の途中、赤ん坊の白骨遺体を発見する。 放っておくこともできず、埋めてやってから線香一本立てておいた。 香霖にそのことを話すと無言で天狗の新聞を見せられた。 そこには子供引き取りますと書かれていた。 それと何か関係があるのかと聞い…

△月 □日  No456 ハロウィンでお菓子を配るぞ

ハロウィン用の特設テント設営、お菓子を配るためにせっせと箱を搬入 一個一個袋に詰めてイベントの始まり始まり。 美味しいお菓子がもらえるとあってテントの廻りには子供たちや妖精たち 誰が見ても年齢的に見合わない自称少女たちでごった返す。 ヴァンパ…

△月 □日  No455 月の都を覗いてみれば

観測衛星が順調に月を包囲しつつあるらしい。 まさに国を超えた大プロジェクトである。 端からみればただのクレーターでもひとたび幻視カメラを介してみれば 都市群の隅々まで見える。 その気になれば新聞も読めるとはよく言ったものだ。 幻視カメラというの…

△月 □日  No454 幻想郷は冬支度

幻想郷の冬支度恒例と言えば松の木に藁を巻き付ける作業であろう。 今日は巻き付ける藁の納品日である。 結界の外でも同じようなことが行われているが、そこは幻想郷である ちょっとばかりやり方が違うのだ。 寒さに凍えた虫たちは藁に潜ってとりあえずほっ…

△月 □日  No453 噂のあの人を確保せよ

ボスよりプリズムリバー家に関係するという女性を確保せよとお達しがきた。 プリズムリバーといえばあの騒霊三姉妹所縁の人物ということだ。 今から半年ほど前に某ミステリー雑誌に「某ゴンドアの戦士に関係する人募集」とか 書いてある中にプリズムリバー家…

△月 □日  No452 幻想郷でお買い物

幻想郷内で休日になってしまったため、色々と買い出しに出かけることにした。 たまにはこうした一日も悪くないものである。 行く場所は大体決まっている。 博麗大結界外の物品が手に入る香霖堂と霧雨店チェーンだ。 幻想郷で生活していくためには、結構色々…

△月 □日  No451 幻想郷における公共交通機関

まずはこのキーワードから。 妖力車、人力車の妖怪バージョンと思っていただければいい。 最近この商売が脚光を浴びている。 移動時間が短くなって済むし 妖怪たちもけっこういい稼ぎになるらしい。 妖怪たちだってたまは美味しいものも食べたいしめいっぱい…

■月 ○日  No450 特別な人間なんていない

私の不注意のせいだろう。自称現人神に私が結界の外にいる人間だということを 感づかれてしまったようだ。 これまでは色々と現地の人の振りをして誤魔化してきたが そろそろ限界のようである。 元の世界に帰る方法を聞かれると思ったら、私が特別な人間なの…

■月 ○日  No449 黒歴史ノート

幻想郷のカミ様といえど完全無欠な存在というわけではない。 長年生きているとどうしても黒歴史というものができるらしい。 しかもカミ様の黒歴史は恐ろしくスケールがでかいのだ。 冴月によると例の神社にいるおねえさんは昔かなり血の気が多かったという。…

■月 ○日  No448 棚卸しをしようか

締め日ともなれば、うちの会社も世間一般の会社と同じようにてんてこ舞いになる。 ここで問題となるのが幻想郷の都合である。 あちらは太陰暦を使っている都合上我々の締日の概念が分かりづらいようだ。 霧雨店からの受取伝票が滞っているということで何度か…

■月 ○日  No446 幻想郷のネズミたち

幻想郷におけるネズミはとても危険な存在である。 食料貯蔵庫に巣くって大切な米を食べたり様々な伝染病を媒介したりする。 幻想郷の街は特に猫が多いことで知られている。 猫の妖怪と言えば、隙間妖怪の傍らにいる「橙」が有名であるが 橙のさじ加減一つで…

■月 ○日  No447 最大級のかき入れ時

もうすぐハロウィンと言うことで、霊能局から動員がかかる。 ハロウィンが終われば八百万のカミによる伊勢参りが始まり どうしようもないほど忙しくなる。 きちんと行列をつくることができる我が国の幽霊と違って 米帝の幽霊の一部は行列をつくるという発想…

幻想資料集更新 恐竜たちの最期

■月 ○日  No445 健康診断は疲れる

今日は健康診断の日である。いつもより早く出社してさっさと手続きを済ませる。 この健康診断、うちの会社はやけにお金をかけているようでチェックする項目が多い。 まだ二十代なのに血液検査もあるし、CTまで撮影する。 友人にこのことを話したら「ありえな…

■月 ○日  No444 ビバ畳生活

紅葉もそろそろ見頃になってきて絶景かなとお茶を飲みながら まどろみたいこの頃であるが仕事は今日も続く。 この時期になると畳のゴザが霧雨店に並ぶようになる。 畳の表面のい草の部分と言えばいいだろう。 このゴザを納品するときは汚れてよい服装でない…

■月 ○日  No443 けじめの付け方

妖怪と人間が恋愛するのはいろいろな試練が伴うものだと思う。 寄生虫に感染する者もいれば、自分だけ老いていくことに耐えられない者もいる。 こと幻想郷に関しては人間でありながら妖怪との境界が曖昧な者もいて 極端に寿命が長い人もいるから始末が悪い。…

■月 ○日  No442 幻想郷の建築資材搬出

最近幻想郷の建築物が混沌さを極めている。 妖怪もグローバル化が激しいため色々な国のいろいろな建物が建ってしまい まるで万国博覧会のような雰囲気である。 当然うちの会社にもハチャメチャな注文が舞い込んでくるようになる。 煉瓦を積むためのモルタル…

■月 ○日  No441 今年も冬服の季節がやってきた

うちの会社は幻想郷に絶えず物資を運ぶ仕事をしている。 今日は冬服の配達日である。 今年は例年よりも暖かかったから 注文がいつもより遅れたのだ。 よく冬に備えないのかと言われることもあるが、その点は問題ない。 秋姉妹の様子を見れば大体見当がつくの…

幻想資料集を更新 全海洋蒸発について

■月 ○日  No440 カミ様というものは痛いものだ

自称現人神と神社のおねえさんたちが妖怪の山にやってきて、2ヶ月が経過してしまった。 来月には神無月がやってきてしまうので、それまでにはある程度 信仰に箔をつけてやらないといけないのである。 11月といえば八百万のカミが出雲大社に集まる日である…

■月 ○日  No439 永遠亭で試飲会

永遠亭にお酒のサンプルを大量持参して試飲会が行われた。 この試飲会はあくまで永遠亭だけのもので、幻想郷の住民には 内密にということになっている。 薬屋が持ってきたお酒を分析機にかけようとしたら、詐欺師兎が瓶を かすめ取って飲んでしまった。 こち…